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2006年4月18日 (火)

真似されないインセンティブ

携帯サイトのR25式にある「今日史」によると、今日は発明の日なのだそうだ。1985年に特許法が公布された日だという。
なんだかネタに詰まったかのような出だしで恐縮だが、特許というのはある新しいモノや方法を「公開をしてもらう代わりに一定期間の独占権を与える」ものだ。

要するにナレッジマネジメントでいうと、知識を提供する代わりに一定期間は「真似されない」権利ということになるのだが、もちろん社内でそんな考え方では意味がない。ベストプラクティスに類するナレッジは真似されて初めて意味がある。

ところが、以前情報交換をした企業の中に、このような「悩み」を抱えている企業があった。

「登録された事例を真似せずに、別の方法を考え出そうと躍起になるんです」

担当者としては事例の水平展開をしたいのだが、実際にその事例を目にした現場では「より新しいやり方」を探し求めて、その新しい事例を登録しようと躍起になるのだという。ちなみに営業での話だ。

端から見るとなんだか贅沢な悩みのようにも思えるが、こういった「真似されなかった」事例に何らかのインセンティブを付与する方法はないだろうか。実はある種の事例には「真似されないこと」が重要な場合がある。

いわゆる「失敗事例」だ。

同じ轍を踏まない、つまり意識的に「同じことをしない」ことが求められるこういった事例は、共有、特に投稿に対するインセンティブが薄いというか、ほとんどないという課題がある。「真似をする」のと違って、「真似をしない」ことは行動に表れないので、提供された情報の効果測定が難しいのだ。

しかし、事例の共有という視点から見ると、実は成功事例よりも失敗事例の方が重要だったりする。成功事例は同じ成功を生むものだが、失敗事例は別の成功を生み出すものだからだ。

成長ということを考えた場合、実は事例の「真似」ではなく、新しい事例が生まれていくことの方が望ましい。そういった意味では、成功であれ失敗であれ、同じことを「しなかった」「されなかった」ことに対するインセンティブシステムがあっても良いような気がする。

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