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2006年5月19日 (金)

消費者問題の解決

さて、昨日、ではなく一昨日の続き。
消費者問題が発生しないためには、消費者が市場にある商品の情報を完全に知っていることが条件になる。

そんなことはあり得ない。そもそも現代は、企業でさえ「完全に」知ることはできない。インターネットによる情報流通は、ある商品の情報の一部において、企業よりも消費者が詳しいという状況を作り出してしまうことがある。

とはいえ、相対的に見れば、企業の方がはるかに多くの情報を抱えているのは間違いない。問題は格差だから、完全であるかどうかは実はあまり重要ではないのだ。

消費者問題を「発生させない」ための条件はクリアすることができない。つまり、消費者問題はどうあっても発生するのだ。そうなると必要なのは「発生させない」努力よりも「発生した問題を速やかに解決する」という点にこそ置かれるべきかもしれない。

もちろん、発生抑制は重要なのだが、いずれにせよ完全になくすことはできない。であれば、焦点はより「発生後」に置かれるべきだろう。もちろんモラルハザードを生むような救済措置では意味がないが。

難しいのは、発生抑制の多くは企業の責任(消費者による監視、というものはあるが、基本的に発生を抑制する対策は企業にしか行えないだろう)なのに対し、発生後の救済対策には、消費者の責任が伴うということだ。
これは救済を自ら行えということではない。

国際消費者機構が定めた「消費者の8つの権利と5つの責任」によれば、消費者には権利だけでなく責任がある。

  • 批判的意識
  • 自己主張と行動
  • 社会的関心
  • 環境への自覚
  • 連帯

多くの場合、企業は自覚的に消費者問題を発生させるわけではない。(自覚的に発生させたら犯罪である。)むろん、危険をまったく予見していないといえばウソになるが、それは物事にゼロリスクはない、ということと一緒だ。ようは、そのバランスをどこでとるか、ということなのだ。

そこで、消費者側には上記の5つの責任が求められる。消費者の権利の裏返しが企業の責任であるように、消費者の責任の裏返しは企業の権利だろう。お互いがお互いの責任を果たしてこそ、両者の権利は守られる。

消費者と企業が、リスクのバランスをどこにとるか、という対話を行うことこそが、消費者問題の発生を抑制し、発生した問題を解決するのだ。

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