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2006年5月17日 (水)

消費者問題のメカニズム

さて、昨日の続き。
消費者問題が発生するのは、消費者と企業の関係が対等ではないからだ。
おおよそ、次の4つが挙げられる。

  1. 情報について
  2. 技術操作について
  3. 負担の転嫁能力について
  4. 組織力と市場支配力について

上記の内、1と2はナレッジの分野の話だ。
そこで先に3と4について触れておくと、企業(組織)というものは、元々こういった力を獲得するために作られたものなので、ある程度は仕方ない。特に組織力と市場支配力についてはそうだろう。ただ、個人的にいえば負担の転嫁能力というのは、むしろ負担(リスク)の分散能力といった方がしっくりくるような気がする。
(消費者問題、という視点で見ると、転嫁能力になるのだろう。企業の存在意義という面から見ると、分散能力といった方が良い。これは見方の問題。)

さて、情報と技術操作というのは、企業に蓄えられているナレッジそのものでもある。
この両者については、企業内においても実は格差が存在している。大体において本部が多くの情報を握り、技術操作の能力も高い。元々、そのように役割分担を行うことで、効率を追求するのが企業のあり方なのだ。

消費者問題においてこの格差が問題になるのは、企業と違って「共同体」ではないからである。企業における役割分担は、あくまでも企業の目的に沿ったものだが、企業と消費者との関係は決して「役割分担」とはいえない。
だが、そこにそういった考え方を盛り込むことは本当に不可能なのだろうか。

CSRの分野では、最近「エンゲージメント」というキーワードがよく聞かれる。これは言い方を変えれば、社会を一つの組織として、企業と消費者(を含むステークホルダー)が、ある種の役割分担をしていこう、という動きと捉えることもできる。

その際には何が必要とされるだろうか。

消費者問題という捉え方において「消費者問題が発生しない状態」というのは、メカニズムとしては次の状態で達成される。

1.企業が公正で自由な価格競争を行っている
2.消費者が市場にある商品に関する情報を完全に知っている

むろんこれはあくまでも理屈の話だ。こういったことはあり得ない。価格競争はともかくとして、そもそも後者が物理的にあり得ないのだ。何しろ商品を提供している企業でさえ、内部でそういったことを実現できていない、というのが現状なのだ。そもそも市場に存在する情報は、人間が理解するには膨大すぎるのだ。

とすると、そもそもこのメカニズムを前提とする限り、問題は解決されないということになる。こういった考え方をベースに問題の解決を図っても、恐らくは無駄なのではないか、という気がしなくもない。

それではどのように考えていけばよいのか・・・続く。

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