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2006年11月29日 (水)

フローとストックの境界線

先日書いたカテゴリの見直し吉川さんからコメントとトラックバックをいただいた。
それらを読みながら、あらためて考えたことがある。

それは「そもそもフローとストックの境目はどこにあるのだろうか」という点だ。
ある情報が「フローである」「ストックである」と判断される境界線はどこにあるのか。

流れていくのがフローで、蓄積するのがストックだろうか。でもそれではブログはフローではなくストックになってしまう。そもそもオンラインに記録された情報はすべからくストックということになる。

では整理されているのがストックで、整理されないのがフローだろうか。ではフローの情報は整理されたらストックになるのだろうか。整理されるまでもなく、検索すれば十分な場合はどうなのだろうか。

一方で、ストックされた情報であっても、それが固定化されることはあまりないのではないか。流動的に整理され、更新されるとしたら、それはストックだろうか、フローだろうか。

ナレッジマネジメントを担当していた頃に、この「フローとストック」についても考えたことがある。自分たちの「ナレッジマネジメント」において、オンラインのシステムは何を担うのか。ストックか?それともフローか?

その時に自分が考えたのは、あえてシステムの持つストック的な要素を排して、フローとして使うということだ。
システムに記録された情報を「再利用しない」という選択である。

どういうことかというと、オンラインはあくまでフローを広く伝え流通させるために活用し、その情報の「蓄積」はシステムではなくヒトの中に行えば良いのではないか、という発想だった。
簡単に言ってしまえば、過去の記録を探すのではなく、知っているヒトに聞け、ということだ。そして(この先が重要なのだが)自分がそれを知ったのなら、次に同じ質問が出たときには「自分が」答えるのだ。

一見非効率なようだが、次に自分が答える際には、以前自分が答えてもらった時よりもブラッシュアップされた知識が表出されるのではないか、というのが自分の仮説だった。それが知のスパイラルを生み出すだろう、と。

もっとも、結局これは仮説のままで、周囲には理解されずに終わった。ストックではなくフローを重視する、という点では合意を得たのだが、そのフローをストックにせず捨ててしまう、という提案までは、さすがに大胆すぎたというか、採用はされなかった。

ただ、この考え方は自分の中には今でも残っていて、個人的にはストックは過去のものであり、そのまま再利用するのではなく、ブラッシュアップするためにフローを積み重ねるためのものであると捉えている。

もっともそうは言いつつも、このブログの内容とか、過去に自分が書いたドキュメントは全部ストックしているっていうのが、結局捨てきれない弱さなのかもしれない。

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コメント

 フローとストックの明確な分離は難しいと思います。我々が良くやるのは、寿命が長く(たいていは更新されるまでは前のものが有効)、再利用性が高いもの、再利用範囲が広いもの、ルールといった強制力の強いものをストックとしています。
 他にストックの傾向は、更新頻度が低い、ボリュームが相対的に大きい、公式性が高いというところですかね。
 例示するとマニュアル・規定集・報告書・提案書・技術文書・図面といったところです。ちなみにこの手の話をするときにいつも議論になるのは通達でこれもストックではないかと言われますが、私はあえてフローに分類しています。
 この議論も諸説紛々あって、もっといろいろあるのですがとりあえずこんなところで。

投稿: yoshikawa | 2006年12月 9日 (土) 00時37分

yoshikawaさん コメントありがとうございます。
相対的な要素が強いということですよね。

そこで、社内へのインパクトも含めてガーンッとフローにシフトさせたアイデアを考えた、という側面もありました。
(放っておくと何でもストックになりかねないような状況でしたので。)

個人的には、ストック的なものをいかにフロー的にするかが、スピードの問題も含めて必要な発想なのではないか、と考えていました。

投稿: ProjectK | 2006年12月 9日 (土) 07時50分

 ガーンとフローに寄せるアイデアもありだと思います。その実現手段のひとつがKnow-WhoとかQ&Aではないでしょうか。
 フロー&ストックの議論とはちょっとズレますが、社内のナレッジをすべて形式知化することは無理だとおもいます、ですので手がかりとか痕跡だけできるだけ残せる仕掛けを作って、手がかりが書類ならエンタープライズサーチ、人ならKnow-Who検索、手がかりが無いならQ&Aで捜して、手がかりが見つかってからは電話でもメールでも違う手段でやったほうが早いのでは無いかと言うのが、私が良く展開する持論です。
 そうそう、ストックはフローと違って作成者が限られる(限ったほうが良い)というのも特徴にありまして、すなわち一般人はフローに特化して専門家がその中からストック化するものの選出と整形化を行うほうが良いと思っています。

投稿: yoshikawa | 2006年12月 9日 (土) 13時45分

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