« 大学生の会話 | トップページ | 未明まで続いた国会 »

2007年5月31日 (木)

松岡氏の自殺をどう評価するか

松岡農水相が自殺したことは、どう評価されるべきなのだろうか。
死者についてとやかくいうのは、日本ではあまり良いことではない。でも疑惑云々ではなく、教育改革に力を入れている安倍政権だからこそ、とても気になるのだ。

松岡氏の自殺は、子どもへの教育上どんな影響があると考えるべきだろうか。
いじめで自殺をしてはいけないというメッセージを発している大人として、彼の死をどう捉えればよいだろう。

まず気になるのは、彼が「いじめられていたか」どうかだ。もちろんこれは大人のロジックで考えてはいけない。

理由はどうあれ、彼が周囲から注目され、追いつめられていたことは確かであり、そもそもマスコミの論調もそういったことを苦にしての自殺といったニュアンスがある。これは、外面的にはいじめの構造に似ている。

これが自殺の引き金になったのだとすれば、大人の「いじめられても自殺してはいけない」というメッセージは説得力を失う。
さらにいえば、「いじめは絶対にいけない」というメッセージさえ力を失うことになる。大人は「いじめていた」ことになるからだ。

次に気になるのが、彼に自殺以外の「立ち向かう」「逃げる」といった選択肢があったかどうかだ。

これは今回の事件の今後の評価による。もし死ぬ以外の道がなかったといったニュアンスで評価されるのだとすれば、これまた子どもにたいしての「自殺以外の選択肢がある」というメッセージが力を失うことになるからだ。

思うに、松岡氏の自殺については、これ以上注目せずに、言葉は悪いが「黙殺」するしかないのではないか。

淡々と自殺は自殺として扱い、彼が抱えていた疑惑とはきっぱりと切り離し、疑惑は疑惑として追及する。自殺したことで追求がうやむやになるのであれば、「死がすべてを解決する」なんてメッセージになりかねないし、そもそも疑惑の追及というのは「個人を責めること」で成り立つのではなく、「問題の構造を明らかにする」ことが目的のはずなのだ。

林道談合ではもう一人キーマンとされる人物が自殺している。
なんというか、大人がこんな状態なのに子どもにたいして「自殺はいけない」なんて、どんな顔をしていうのだろうか。

教育再生会議のメンバーは、そういった見地から今回の自殺に対して、何らかの評価とメッセージを出すべきではないだろうか。

子どもに「自殺をしてはいけない」という前に、まず大人が自殺をしてはいけない。これは本人の意思や判断の問題ではなく、社会としてそういう構造を作り上げなければいけないのだ。

|

« 大学生の会話 | トップページ | 未明まで続いた国会 »

コメント

100%同意です<まず大人が自殺をしてはいけない

投稿: ooki | 2007年5月31日 (木) 14時08分

ookiさん コメントありがとうございます。

言葉でどんなにメッセージを発しても、行動が裏腹だったら子どもには通じませんからね・・・。

松岡氏個人の問題ではなく、大人社会の問題として、子どもにたいしてこの自殺をどう説明するのか、そんなことを考えなければいけないような記がします。

投稿: ProjectK | 2007年6月 1日 (金) 08時04分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22760/15264079

この記事へのトラックバック一覧です: 松岡氏の自殺をどう評価するか:

» 松岡農水相が自殺 赤坂・議員宿舎で首つり [永遠のセルマ+昭和懐音堂]
松岡農水相が自殺図り意識不明の重体 赤坂・議員宿舎で首つり 第一報だが、安倍首相 [続きを読む]

受信: 2007年5月31日 (木) 09時49分

» 松岡農水相の死に思う。 [閑話ノート]
それにしても、松岡利勝前農水相の(自死に関わる)メディアの報道が喧しい。 また、松岡氏のブログ・キーワード検索すると大変な数のエントリーだ。 それだけ政界のみならず、国民への衝撃が大きかったことを物語る。 拙ブログも、例の「ナントカ還元水」のときは、痛烈な批判を浴びせた。 然しながら、こたびの不幸なできごとを安直に記事にすることはできなかった。 いくら吟味して言葉を並べても、すべてが空しいだけだと思ったからだ。 だからと言って、メディアの報道や各氏の解説を否定するつもりはない。 それではなぜこの... [続きを読む]

受信: 2007年6月 1日 (金) 12時59分

« 大学生の会話 | トップページ | 未明まで続いた国会 »