« 安全・安心に労を惜しむな | トップページ | 公務員という仕事 »

2007年7月20日 (金)

日本人のマナー観

走れ!プロジェクトマネージャー!通勤電車が、日本人のマナーを悪くした、という仮説というエントリーがあったので、少し考えてみた。

個人的には、マナーが「悪くなった」のではなく、「元々悪かった」のではないか、と感じることがある。いや「悪い」という捉え方は良くないかもしれない。日本人にとって、通勤電車に乗りあわせているような「他人」は、元々マナーに気を使う対象ではないのではないか、ということだ。

海外の人の事情は知らないので、「日本人が」と言ってしまうと語弊があるかもしれないが、傾向としてマナーを「相手に対する礼儀」と捉えているということはないだろうか。つまりマナーを相手があって成り立つものと考えているから、周囲の人間を相手として認識していなければ、当然マナーに気を使うことがない。

例えば「あいつは礼儀がなってない!」と言う時、その言葉の裏には「自分に対する」とか「お客に対する」といった礼儀を払うべき対象が無意識に存在しているように思う。「相手がいようがいまいが、人の態度として礼儀がなっていない」というニュアンスはあまり感じられないのだ。

善し悪しではなく、相手との関係によって細やかに態度を変化させることでコミュニケーションを円滑にしている、と言うことなのだろう。誰に対しても毅然として同じ態度を取ることが常に最良とは(特に人間関係においては)限らない。

それに日本に限らず、例えば異教徒は人ですらない、という捉え方をしていた時代のヨーロッパの礼儀作法は、あくまでも「人」に対するものだっただろうと思うのだ。この「人」と「それ以外」の境界線がどこにあるのか、という問題なのではないだろうか。

もっとも、通勤電車にもみくちゃにされていると、それを人と思っていたらやってられない、という側面はあるかもしれない(笑)

(ただ、以前何かで読んだのだが、礼儀作法というのは元々見知らぬ他人に対して敵意のないことを示すための所作として発達したという話がある。そう考えるとつまり礼儀がなっていない、というのは「他人と思っていない」「ごく親しい身内で気を許している」と言うことなのかもしれないのだが・・・。)

|

« 安全・安心に労を惜しむな | トップページ | 公務員という仕事 »

コメント

なるほど、元々悪かった、ですか。
確かに、マナーというのか気遣いというべきか、というのもありますね。
常識が人によって違う、みたいな感じもありますし。

> もっとも、通勤電車にもみくちゃにされていると、
> それを人と思っていたらやってられない、
> という側面はあるかもしれない(笑)

たしかに、たしかに。w
知り合いばかりがエレベーターに乗ると、知らない人同士がエレベーターに乗るときの6~7割程度しか乗れない、と聞いたことがあります。
知っていると、気を遣うということなんですね。
気遣いしていると、遅刻してしまうかも知れませんね。w

投稿: ooki | 2007年7月20日 (金) 10時33分

礼儀だと、対象が直接的に存在する気がしますが、マナーだと、対象が存在しない場合もあるような気がします。。。
(広い意味では、周りの存在を意識した行為なのかもしれないですけどね)

なんとなく、言葉のイメージだけの話ですが。

例えば、エコロジーに対する自分なりの主義主張があって、買い物には自前の袋を持っていく、というような事もマナーの範囲というような気がして。(あんまり例が適切でないかもしれないけれど)

そう考えると、マナーは周りに誰がいなくてもやることを含めていて、マナーを意識することは、礼儀として各人に対しての姿勢を変えることよりも、もっと人類全体を意識した行動を取る事、と定義してみると面白いかもしれません。

投稿: Tommy | 2007年7月22日 (日) 02時23分

ookiさん

> 知り合いばかりがエレベーターに乗ると、知らない人同士がエレベーターに乗るときの6~7割程度しか乗れない、と聞いたことがあります。

おもしろいですね。人にはパーソナルスペースがあって、一般的には親しいほど狭い(=接近しても気にならない)そうですが、さらに距離を縮めるためには「知らない人は人と思わない」という心理的なブロックが必要なのかもしれません。


Tommyさん

おっしゃるとおり、「マナー」はもう少し広い捉え方なのではないかと思います。
「礼儀は(状況に応じた)相手に対する身の処し方」「マナーは(状況にかかわらず)自分自身の身の処し方」という感じでしょうか。

そういった意味では、自分自身がきちんと確立している人は、やはり人から見てもマナーのよい人に見えるのかもしれません。


たまたまですが、金曜日の朝日新聞で、韓国に派遣されている記者が、取材でお世話になった(年配の)方へのお礼の品の渡し方で叱責されたというエピソードが紹介されていました。「年配(=目上)の人間に対し、その渡し方はなんだ!」というものだったそうですが、これは礼儀であって、マナーではないのではないか、という気がします。
(お前のマナーの方がなっていないよ、というのは言い過ぎでしょうか・・・。)

投稿: ProjectK | 2007年7月23日 (月) 08時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22760/15820614

この記事へのトラックバック一覧です: 日本人のマナー観:

» ・通勤電車で ④(降車時の「すみません」) [肩の力を抜いて]
降車駅に到着して、奥に乗っていた人が降りようとするとドア付近に立っている人たちが邪魔になることがある。 まず、非難の視線を送る。 次に降りる動作を軽く見せて「察しろよ」と暗に言う。 そして、軽く押して気づかせる。が一般的である。 「すみません」と声を出す人は少ない。 でもこの「すみません」の一言は効... [続きを読む]

受信: 2007年7月22日 (日) 20時50分

« 安全・安心に労を惜しむな | トップページ | 公務員という仕事 »