メールチェックはなぜ生産性を下げるのか
メールのチェックが作業の生産性を落とすという話は良く聞かれる。それは何故だろうか。実は個人的にはあまり実感がない。
無駄なメールが多いからだろうか?スパムや同報メールの多さに悩んでいるとか?
でも、スパムの内容を真剣にチェックしている人間はいないだろう。ちりも積もればで1日数千件ともなれば、削除だけでも手間がかかるというのは分からなくはないが、それは「作業の生産性を落とす」といった類のものだろうか。
個人的に思うのは、メールチェックはそれ自体が「作業」なのだから、それを組み込んだ仕事のスケジュールを組むことが重要で、それができていればそれは「生産性を下げる」とは言わないのではないか、ということだ。場当たり的にチェックしたり、自分の意思でコントロールできないときに、生産性の低下が発生する。
例えば、電話を受けることによる作業の中断は、生産性を下げる、これはよく分かる理屈だ。でもメールは着信毎に通知されるようにでもしていない限り、基本的にそういったことはない。そういった意味では時間を決めて処理をする、というのは正しいやり方だし、それで何が問題なのか、何が作業の生産性を下げているのかという気がする。
一方でなんとなく気になっているのは、メールチェックが作業の生産性を落とすものとして「だからこう処理しましょう」という話はあるのに、「メールを出すというのは相手の生産性を下げる行為です」という議論があまりないことだ。むしろ出す側の理屈としては、「(電話などと違って)相手の作業を中断させることがない」ということが言われているということはないか。
それはむしろ生産性を上げるということだろう。出す側は生産性を上げるためのコミュニケーション手段として使い、受ける側はそれを生産性を下げるものと受け取っているということになる。なんだか変な構図だ。
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コメント
ここにも書いてありますが、不用意なメールのチェックは生産性を下げる、ということなんでしょうね。。。
メールを出す方は都合のいいときに見てもらえればいいと思って出しているのなら、受け取る方も都合のいいときを見計らって受け取らないと、生産性が下がる、ということでしょうね。
メールって、偉い人や、お客様からの緊急的な雰囲気漂うメールだと、見た瞬間に回答したくなりますよね。
不用意にメールをチェックしてしまうと、そういう横槍が入り、本来じっくり考えていた業務が吹き飛ぶことがあります。
それが生産性の低下であり、かつ、本当は都合が良くないのにメールチェックしちゃった、ということなんじゃないか、と思います。
だから、メールを出す方の意図通りに、受ける方もメールチェックのタイミングをきちんとコントロールしていれば問題無いと思うのに、なかなかそうはいかないのが、現実だということでしょうね。。。仰る変な構図は、そんな現実から生まれているんだろう、と思いいました。
これ、意外と悩ましいんですよね。実際の業務でも。だから、論文とか書くときは、一日中メールを意図的に読まないときもあります。
でわ。
投稿: Tommy | 2007年8月26日 (日) 00時21分
こんにちは コメントありがとうございます。
そうですね、やはり不用意な、「自分で予定していない」ことが生産性を下げるということにつながっているのだと思います。
ただ、以前何かで読みましたが、メールというのは相手に対して「今処理できない」というフィードバックができない(電話は「出ない」ことでそれができる)ため、すぐに返事をしないと相手にストレスを与えてしまうという問題があるそうです。
そう考えると、アバターではないですが、一定時間チェックがなければ「現在処理ができません」と自動返信するようなツールがあっても良いのかもしれません。
あ、でもこれだとスパムやフィッシングにも自動返信されてしまいますね(笑)
なんとも悩ましいです。
投稿: ProjectK | 2007年8月27日 (月) 18時55分