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2007年10月17日 (水)

伝承される技術とは

日経ビジネスオンラインの我慢を知らない若者では勤まらないが色々物議をかもしているそうで、以前ブックマークはしていたようなのだが改めて読んでみた。

コラムを書かれている橋本氏の主張「我慢を知らない若者」とやらに対しては、コメント欄でさまざまな意見が出ており、個人的にも同感である。多分同じような感覚で、わざわざ論評するのもくだらないと思ったからその時ブログのネタにしていないのだろう。

で、そのあたりは譲るとして、実は改めて読んで冒頭がちょっと気になってしまった。ある会社のベテラン技術者の話だ。

「私たちの職場の構成員を見ると、正社員は3分の1以下。大部分が派遣社員とパート・アルバイトと外国人労働者の混成部隊。その人たちに技術を教えるのだが、彼らが将来ライバル企業で働くかもしれないと思うと、もうひとつ熱が入らない。

また、彼らも“次の職場では、こんな技術、役に立たないかもしれない”と思っているためか、積極的に覚えようとしない。このままでは我が社の技術は遠からずなくなってしまいますね」

引っかかってしまったのは、「ライバル企業に技術が流出」と「次の職場ではこんな技術役に立たない」は矛盾しているのではないか、ということだ。ライバル企業に流出して困るような画期的技術であれば、それは次の職場で役に立たないかもしれない、なんて思われたりはしないのではないか。

そもそも後者の意見が正しいとすれば、その技術は伝承する必要がない陳腐なものということになる。

まぁそれは言葉の遊びだとしても、気になって仕方ないのは「もう一つ熱が入らない」状態で伝えられた技術を本気で受け止める相手なんていないことだ。「ライバル企業に行ってしまった」ことにショックを感じるならともかく、「行くかもしれない」で伝承を怠るのだとすれば、このベテラン技術者自身、技術や会社に対する愛が欠けている。

またこのセリフは、実はナレッジマネジメントなどで「ノウハウを(社内の)ライバルには知られたくない」という理由で表に出さない心理にかなり近い気がする。そこにあるのは、会社や社会に貢献するといった価値観ではなく、「自分が良ければよい」という価値観だ。

・・・ま、そういった排他的な価値観が今の若者に薄い、という主張であれば、分からなくはないけどね。
こういう人たちはブログなんかでノウハウを公開する人たちなんて理解の外にあるのだろう。

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