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2008年3月10日 (月)

ダイバーシティのあるべき姿

企業にとってのダイバーシティのあるべき姿は、『「個人の違いは価値」という前提を社員同士が共有し、異質な視点を活かして協働することで、創造性の高い組織を形成すること』(森沢徹/木原裕子「経営戦略としてのダイバーシティマネジメント」知的資産創造2005年9月号)なのだという。

同質が良いとは言わないが、異質であることはお互いにとってストレスにもなる。「個人の違いは価値」という前提をわざわざ唱えなければいけないということから考えても、異質であることは人にとって受け入れがたい場合があるということを示しているような気もする。

それに異なる視点を受け入れることと、異なる相手を受け入れることはかなり違う。異質な視点を活かすというだけであれば、必ずしも組織内でなければいけない理由はない。

そもそも、個人の違いは「価値」と考えなければいけないほどのものだろうか。個人の違いはあって当たり前だ。その上で、個人の持つ視点とは異質な「組織の視点」を各人が受け入れることで組織としての価値観を統一し、強みを発揮してきたのが、従来の組織ではないか。

その「組織の視点」には、参加する一人ひとりの視点が何らかの形で少しずつ付加されていると考える方が自然だろう。同質的な「組織の価値観」であっても、その解釈は常に同じではなく、構成員の考えによって微妙に細部を変えているものだからだ。

ただ、一方で気をつけなければならないのは、組織が大きくなり、組織の価値観が強くなりすぎると、構成員が与える影響力が相対的に小さくなってしまうことと、構成員が組織の価値観を自分の価値観と同一視するようになってしまうことだ。

意外とダイバーシティというのは、組織の価値観と個人の価値観とを、一人ひとりが自覚的に距離を置いて考えるようにすることが重要なのかもしれない。組織の価値観と自分の価値観の間に何らかの距離を置いていれば、他の人も同様に「違う」ということが自覚できるが、組織の価値観と自分の価値観を同一視してしまうと、組織の価値観と異なる価値観の人間は「異質」にしか映らないからだ。

「協調する」というのは、利害や立場の異なる者が互いに譲り合って協力することをさす。一方「同調する」というのは、他人の意見、態度などにあわせることをいう。ダイバーシティというのは、同調ではなく協調することで価値を生み出すということなのかもしれない。

・・・でもそれって「ダイバーシティ」とことさらにいうことでもないような・・・。

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先日に引き続きダイバーシティの話題だが、いくつか気になっていることの一つに、企業 [続きを読む]

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