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2009年3月16日 (月)

貧困のない世界を創る

※今日の内容はCSR日記にも掲載しています。

先週の「環境とビジネスは両立するか」に引き続き、日曜日に同じくアカデミーヒルズで、グラミンバンクのムハマド・ユヌス博士の話を聞いてきました。(知りませんでしたが物理学博士だそうですね・・・銀行家とはまったく関係ないですが。)

個人的に印象に残ったのが、講演の中で博士が「たったの27ドルを42人に貸すことから始めた」と話していたことです。同時通訳の中なので細かいニュアンスは違うかもしれませんが、この「たったの」というのがふと気にかかりました。

バングラディシュにおいてグラミンバンクのマイクロクレジットが成功したのは、その27ドルで「人生が救われる」人と、その27ドルを「たったの 27ドル」と感じられる人とが社会の中に存在したから。つまり、圧倒的な格差があったためではないか・・・そんな気がしたのです。

ただし、これはマイクロクレジットに対するネガティブな指摘とは考えていません。その格差は彼が作り出したものではないですし、そもそも「格差がある」ということと「貧困がある」ということは同一ではないからです。
そこで改めて感じたのは、「格差」と「貧困」はあえて分けて考えたほうが、実はスマートに進められるのではないか、ということでした。

「格差をなくせ」と叫べば、その格差社会において上位にいる者が反発するのは当然の話なのです。そうではなく「貧困をなくす」。その原因は格差かも しれないけれども、そのことは棚に上げておいて、社会を底上げするために力を貸してもらう・・・正義の鉈を振りかざすのではなく、そんな仕組みを作り上げ ることが、まずは必要なのかもしれません。惻隠の情みたいで個人的にはちょっと気にいらないところもありますが・・・。

もう一つなるほどと思ったことがありました。それはチャリティの価値について問われた際に答えていた言葉です。

「チャリティは、できる限り早くそこから抜け出すことを目的にするべき。」

どういうことかといえば、チャリティは一時の緊急避難としてはきわめて重要だが、それを受ける側が、受けることに慣れてはいけない、ということで す。その緊急状態から脱出するにはどうしたらよいかを考え、持続的な仕組みを整える・・・その回答の一つがマイクロクレジットなわけですが、これは「寄 付」という行為を考える時に押さえておきたいポイントだと思いました。

講演を聴きながら感じたのは、博士の信念の強さというか、ゆるぎない考え方でした。マイクロクレジットは、そのアイデアが賞賛されることが多いよう に思うのですが、実はそれ自体は画期的なアイデアというほどのものではなく、実行者の信念と実行力こそが成功のポイントではないかと感じました。

恥ずかしながら「貧困のない世界を創る」はまだ読んだことがないので、近いうちに読んでみたいと思います。

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