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2009年3月27日 (金)

コモンズの悲劇は時間軸でも発生する?

昨日は知り合いに誘われてセミナーに参加しました。いわゆるセミナーというよりも、オープンカレッジに近いでしょうか。東北大学大学院の環境科学研究科にあるSEMSaTというユニットが主催している公開セミナーです。

「循環型社会の新しい住まい・ライフスタイル」というテーマで、特に集合住宅(マンション)についての話でした。

その中でちょっと考えさせられたのが、こんな話です。

「200年持つ建物の投資効果が出るのは200年後で、第一世代の人にとってはむしろ初期投資の負担が大きい。第一世代の負担を第二世代、第三世代に分散する仕組みが必要。」

なるほどというか、確かに建物が200年持っても、住む人は200年は生きられないので、第一世代の人にとっては初期投資の負担をするインセンティブが働かないというわけです。

ただ、そう納得してからあれ?と思ってしまったのが、よく言われているサステナブルの概念です。

「将来世代のニーズを損なうことなく、現代世代のニーズを満たすような開発」

これは、これまでの開発が「将来世代の資源を食いつぶす」ことで行われてきたことへの反省から生まれてきた概念です。その典型が環境破壊や過大な資源消費というわけですが、これを上記に当てはめれば、第一世代が担うべき負担を第二世代、第三世代に先送りしているということ、と考えることができます。

こうした「逆の世代間負担配分」が問題になる中で、では200年住宅はどういった「世代間負担配分」によって作られるべきなのか。これは意外と調整が難しそうです。

バランスといってしまえばそれまでですが、こうした世代間の負担を「平準化」するというのは、いわゆるコモンズ(共有地)の悲劇の解決以上に難しいことなのかもしれません。
変な話ですが、初期投資の負担を第二世代、第三世代に分散しておきながら、第一世代で利益を享受しつくす(200年持たせる努力をせずに自分の世代で駄目にする)ということも起き得ない話ではないからです。

特に集合住宅の場合、戸建ての住宅と違って第二世代、第三世代は身内ではなく第三者になるのです。自らの子孫に財産を残す、というインセンティブが働かない場合に、はたして初期投資の負担を引き受けるのか、残していくために大切に使うという気持ちが働くのか・・・倫理に訴えるのは簡単ですが、やはり仕組みとして乗り越える方法を考えることが重要な気がします。

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