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2009年5月22日 (金)

安全と安心は両立できるのか

安全と安心は、(特に食の分野などでは)一緒に語られることの多い概念ですが、はたして両者は両立できるのだろうか・・・今回の新型インフルエンザ騒動で、マスクをしている人たちを見ていて、ふとそんなことを考えてしまいました。

安全というのは、多くの場合健全な危機意識があって成り立ちます。工場の安全活動などはその典型で、環境を整えるのはもちろんですが、本人の適度な緊張感があってはじめて安全が保たれるとして、そうした意識付けをすることが多いでしょう。

ではそれは安心な状態かと言えば、安心というのはある意味「緊張感のない」状態とも言えるので、安全を守るために緊張感を持っていれば、それは安心とは言いにくい。

一方で本当に安心してしまった場合、緊張感が失われ、安全度が下がる・・・そんなトレードオフの関係が、実は安全と安心の間には横たわっているのではないか、という気がします。

マスクにはインフルエンザから身を守る一定の効果があります。つまり安全度を高める効果があります。一方海外では、マスクをすれば大丈夫という安心感から外出が増えると、それだけ感染のリスクが高まる、ということが懸念されているそうです。

実際のところ、マスクを付けている人たちの映像を見ていると、付け方はどうでも付けていれば大丈夫なんでしょ的な空気が見えたりして、本人は安心しているようだけれども、安全という観点からはどうなのだろうという気がしてきます。
(マスクで予防する場合、鼻と口を隙間なくしっかりおおうようにつけ、一度外したら二度とつけずに使い捨てにする必要があるそうです。テレビではサイズの合わない大人用のマスクを隙間だらけで付けている子どもなんていうのも出てきて、親はそれで安心しているのかもしれないけど、安全にはまったくつながっていないよな〜などと感じてしまいます。)

安全は常にリスクを想定することで成り立ちます。一方安心はリスクを想定しないことで成り立ちます。もちろん、それはリスクを想定しないで済むような環境を構築することが肝要で、気にしないとか忘れると言った次元の話ではないのですが、いずれにしてもその取り組みの方向性は真逆を向いているということはないでしょうか。

最近は安全と安心をセットにしない傾向が増えているそうです。特に企業からのメッセージとして両者をセットでうたい文句にしない動きが増えているのですが、それはどちらかというと「安全は企業が取り組むもの」「安心は消費者が評価するもの」だから企業が安心を言うのはおかしい、という文脈で語られています。

でも実はもっと根本の部分で、両者は相反するものではないか・・・そんな気がします。

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