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2009年7月30日 (木)

CSRレポートのアンケートは何のために行うのか

このところ、CSRレポートについているアンケートは何のために行い、何のために答えるのか、ということを考えています。答えが出た訳ではないのですが、少しメモを整理してみます。

企業はCSRレポートのアンケートを何のために行うのか?

多くのCSRレポートには、読者に評価や感想、自社の活動に対する要望や意見を聞くアンケートがついています。

では企業は”本気で”意見をもらう気があるのでしょうか。その意見を活かそうと考えているのでしょうか。

企業の担当者がこのようなことを言ってはおしまいかも知れませんが、本当にそうなのかといえば、少々疑問があります。

まず、CSRレポートの読者がそこまでウェイトの高いステークホルダーかという問題があります。企業によって配布ポリシーは違うでしょうが、それほどターゲットを絞り込んで配布している訳ではない読者が、その一意見を企業活動に採用できるほど有力なステークホルダーとは考えられません。

仮に多数の同じ意見が集まったとしても、それが「多い」というだけでは、マスな意味でステークホルダーの意思を反映しているとは言い切れないでしょう。もちろん、「多い」ではなく「説得力のある」意見であれば、また少し話は変わってきますが。

それではなぜ企業は意見をもらおうとするのか。

一つは社内でレポートの効果を評価するため。少し露骨な言い方をすれば、制作担当者や部署の評価をするためでしょう。アンケートの設問を見ていると、そういった意図があるだろうことが透けて見えてきます。

あるいは、活動の方針を変えるまではいかなくても、何か少しでもアイデアが得られれば、といったことはあるかもしれません。先述の「説得力のある意見」も同様です。
(経験上、多くは出尽くされた意見で、ハッとさせられるような意見はほとんどありませんが、これはアンケートだけでなく第三者意見などもそうなので、そもそもCSRという考え方がそういったアイデアの湧出を阻んでいるのかもしれません。)

こうしたことは、アンケートに限らず、ダイアログを含めて「レポートや企業活動に意見をもらう」行為全般に言えることで、「なぜ意見をもらうのか」という部分が、どうもハッキリしないのです。

「企業活動に様々なステークホルダーの意見を反映させるため」という題目は、ダイアログやエンゲージメントにおいてよく言われますが、企業側にお膳立てを整えてもらって出た意見が、本当の意味でステークホルダーの意見なのか、という疑問もあります。

企業側にしてみても、仮に「意見が欲しい」として、ではレポートは「どんな意見が欲しいのか」伝わるような内容になっているかと言えば、どちらかと言えばぐうの音も出ないほど隙のない、意見なんて不要と思わせるような内容に整っていることが少なくありません。

GRIのようなガイドラインに準拠した場合、それこそ読者には「他に聞きたいことなぞあるまい」と言っているかのような内容になってしまうこともあるような気がします。

企業はなぜCSRレポートを発行し、なぜアンケートで意見をもらおうとするのか。

あるいは単に「聞く耳を持っている」という姿勢を示すということが一番の目的かも知れませんけどね。

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