« 日本型CSR | トップページ | 顔の見える消費者 »

2010年1月22日 (金)

ソーシャル・アライアンス

昨日に引き続き、経済同友会の主催するシンポジウム&NPO・社会起業見本市「21世紀の社会変革-新しい市民社会の構築に向けて、"Everyone A Changemaker"」での田坂広志氏の講演から。

マネタリー経済とボランタリー経済が融合し、ハイブリッド経済化していく中で、今後重要になっていくと言われていたのが、「ソーシャル・アライアンス(社会的提携)」です。具体的には、企業とNPO/NGOとの協働ということになるでしょうか。企業が一方的に支援するのではなく、双方向性を持った取り組みです。

それ自体は異論のある話ではありませんが、そこで気になってしまったことが一つ。

アライアンスを成立させていくには、互いに提供するものが必要です。そこで重要なのが、「目に見えない資本」。

田坂氏は企業側が提供できる資本として、「ブランドキャピタル」や「ネットワークキャピタル」を挙げ、一方NPO/NGOが提供できるものとして「従業員満足」や「人間力の向上」などを挙げていました。

そこで気になってしまったのが、昨日紹介した「日本型CSR」の3点目のポイント。

3.企業が本業を通じて社会に貢献しているのであれば、社員は「働き甲斐」を感じている。

これはつまり、日本型CSRを実現する企業には、NPO/NGOとのアライアンスは必要ないということにならないでしょうか。少なくとも、そうした企業は、NPO/NGOとのアライアンスによる「従業員満足」は、不可欠な要素ではないということになります。

さらに5番目の、

5.究極の社会貢献は、社会に貢献し、変革する人材を育てることである。

も、「人間力の向上」ということなので、これも自己完結ができてしまうことになります。

もちろん、そうした部分をNPO/NGOとのアライアンスでさらに強化していくという考え方はありますが、どうしても必要なほど強い動機付けにはならないのではないか・・・そんな気がするのです。

では、どのようにアライアンスを成立させていけば良いのか。

NPOやNGOの社会的評価が高く、一方で企業に「日本型CSR」ほどの役割が求められていない欧米においては、こうしたアライアンスは大きな意味を持つかもしれません。

ブランドキャピタルもネットワークキャピタルも、企業と同等かそれ以上である欧米のNPO/NGOであれば、両者のアライアンスが更なる力になることは容易に想像されます。

しかし、日本ではそうではないような気がするのです。これはNPO/NGOに問題があるといった話ではなく、社会的な構造の問題です。

そういった意味では、「日本型CSR」同様に、「日本型
NSR」が必要になるのかもしれません。日本企業が日本社会をベースにした独自の役割や価値観を育て上げてきた様に、NPO/NGOも、欧米型の追随ではない日本独自の立ち位置を確立しなければ、「日本型のソーシャル・アライアンス」は成り立たないような気がします。

さて、どのような道が考えられるでしょうか。悩ましいといえば悩ましい話ですが・・・。

|

« 日本型CSR | トップページ | 顔の見える消費者 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22760/47358545

この記事へのトラックバック一覧です: ソーシャル・アライアンス:

« 日本型CSR | トップページ | 顔の見える消費者 »