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2010年7月29日 (木)

生物多様性ファンド

住友信託銀行が、生物多様性の保全に積極的な企業に投資するファンドを開発したそうだ。

生物多様性ファンドの設定について
http://www.sumitomotrust.co.jp/pdf/100716-1.pdf

いわゆるSRI(社会的責任投資)の一つということになるのだが、ふとこういうファンドってどうなんだろうかと考えてしまった。

仮に生物多様性への配慮が将来的に高いパフォーマンスを生むということが(プロの目から見て)ある程度確かであるなら、別にこうしたファンドを組む必要はなく、通常の投資の枠内で対応ができるはずだ。
生物多様性への配慮も投資判断の材料の一つであれば、こうしてことさらに強調する必要はない。

考えられる理由は2つある。

一つは、世間の耳目を集め、資金調達を容易にしたい場合。
もう一つは、現状ではリターンが望めないほどパフォーマンスが低く、通常の投資判断ではリスクが高すぎる場合だ。

おそらくは両者が組み合わさっているのだろうが、それって見方を変えるとほとんど詐欺ではないか。特に後者のようなリスクというのは、きちんと説明がされる必要があるはずだ。通常の投資枠内でできない理由は何か、という点だ。

ただ、だから問題があるかというと、ちょっと違う考え方をしても良いのではないかという気がする。
投資者へのリターンを求めるものではなく、社会への還元を求める、一種の寄付のようなものと考えてしまうのだ。

企業にはNPOのような寄付による資金調達方法がない。しかし、特に新しい領域、これまで手がつけられていなかった(事業リスクが高く手を出しにくかった)領域に手を出す場合、そうしたリスクに投資をしてくれる資金が必要だ。場合によってはリターンはほとんど望めない、ハイリスクローリターンの投資。投資領域によっては、投資者ではなく社会に多大なリターンを生み出す可能性があるのであれば、それは寄付と言えないか。

そうした場合の投資領域を決めるのがSRIの考え方ということになる。

で、そういうものであれば、ファンドを開発する側としても企業支援的な要素を強くして、手数料を取らないとか、通常とは違った運用も考えて良いと思うのだが、どうなのだろうか。

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