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2010年11月10日 (水)

NGOと企業の協働に必要なこと

このところセミナーやらパーティーやらが続いた割に、後で気づきなどを書いておくのを怠っていた。
さかのぼるかどうかはさておき、とりあえず昨日出席した日本フィランソロピー協会のセミナー「国際協力NGOによるプレゼンテーション・コンペ」の感想など。

このコンペ自体は、JICAが主催するNGO向けの研修の仕上げとして行われるもので、5団体が発表を行ったのだが、個々の内容はさておき、出席者側に何が求められているのかが不明確だったのが残念だった。
本当にコンペとしてマッチング先を探すつもりで見るのと、研修の成果を評価するために見るのとではかなり視点が異なるからだ。

結果マッチングすればそれはそれで良しとして、参加者、特に企業関係者には審査的なスタンスを求めた方が良いのではないか、と個人的には感じた。プレゼン側も結局具体的な協働先を意識して企画を組み立てている訳ではないので、本気でマッチングするには弱すぎるのだ。

コンペ(と講演)の後にはグループディスカッションがあり、NGOと企業が協働をする上で互いに困っていることなどをシェアしながら、互いに何が求められるかについて話をする。なるほどと思ったことも含めて、整理されたポイントは2つある。

まず、NGOは、自分達の活動が社会与えるインパクトがどういったもので、それをいつまでにどのように実現しようと考えているかというロードマップを示す必要があるというものだ。

例えば「貧困を解消する」というのは、企業側からみれば「購買力のある市場を創出する」ということに等しい。そう考えれば、企業側に必要なのは、それが何年で実現し、そのために何が必要か、という情報だ。それが企業の目的とリソースに合致する時に、NGOと企業との協働は実現する。

個人的な感覚でいえば、企業という組織は「社会貢献」という理屈では動かない。社会に貢献するという動機で意思決定は、経営者や従業員といった「人」の判断であって、組織としての意思決定ではないのだ。もちろんそうした人の判断による支援もありだとは思うが、それはNGOという「組織」と企業という「組織」との「協働」ではない気がする。人が変わればコロッと変わってしまうような、ある意味脆弱な関係にしかならないのだ。

一方企業に求められるのは、企業側から組むNGOを探していくという能動性という話があった。特定のミッションに集中するNGOの側で相手企業に動きを合わせていくのは難しく、むしろ自社にとって必要とされるミッションを持ったNGOを企業側で選んでいく積極性が必要というものだ。

そうしなければ、結果としてNGOの側が変容してしまうリスクもある。協働のためにミッションや理念を変えたりすれば、NGOとしては致命的なダメージになる。そういった意味でも、NGO側から協働先の企業にアプローチをしていくのは実は難しいことなのだ。

もちろん、企業側からアプローチをしていくためには、そうしたNGOの情報がきちんと提示されていなければならない。先に触れたロードマップの提示も含めて、NGO側に求められることは少なくない。

ただ、そうした条件が満たされてこそ、本当の意味での協働が実現するのだろう。

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