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2011年2月24日 (木)

目的ドライブと技術ドライブ

火曜日にアカデミーヒルズの日本元気塾で、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーだった川口淳一郎氏の話を聞いてきた。

宇宙開発の話ではあるのだが、プロジェクトマネジメントの話・・・というのがアカデミーヒルズらしいといえばらしいのだが、会場からの質問もそうしたプロマネの話が多かったのが印象的だった。

その中で、ちょっと気になったというか、なるほどと思ったやりとりがあった。
「はやぶさ」プロジェクトが、様々な新しい技術と挑戦を生み出せた原因は、目的ドライブではなく、技術ドライブの開発だったから、というものだ。

エンジニアらしい話ではあるのだが、ようするに「小惑星探査をする」という目的があったから様々な挑戦が生まれたのではなく、まず技術的に挑戦したいテーマがあって、その実現に挑むために「小惑星探査」という目的が設定された、という感じだろうか。
露骨な言い方をすれば、技術者としてやりたい事をやるために、小惑星探査というミッションが生み出されたとでも言えるかもしれない。

そこでこんな事を川口氏が言っていたのだ。

「目的からスタートすると、既存の技術で何とかしようとしてしまう」

もしかすると「気候変動対策」や「持続可能な社会の実現」といった話は、こうした問題に直面しているのかもしれない。そんな事をふと考えてしまった。

個人的にはこうした事への対策、特に気候変動のような事態への対策は、科学技術の発展(それも革命的な技術革新)で何とかなるのではないか、という楽観論に立っているのだが、そのための挑戦が、「気候変動対策」という目的に縛られているなんて事はないのだろうか。

そもそも「身の回りのできる事から」という考え方や呼びかけ自体が、既存の技術で何とかしようという発想の最たるものではないか。

もう一つ考えさせられたのは、「イノベーションの発揮には、ハイリスクな投資が避けられない」というメッセージだ。おそらく科学技術の場合、この「ハイリスク」には、リターンが得られないというだけでなく、刃として跳ね返るといった意味合いも含まれているのだろうが、そうしたリスクへの覚悟がイノベーションを生むのだと考えれば、「できる事から」というローリスクな行動は、緩やかな先延ばし対策にしかなっていない可能性もある。

「できそうもない目的」に向かって「できる事」を積み重ねるぐらいなら、目的は後回しでも良いから「できそうもない事」にとりあえず挑戦してみる方がよいのかもしれない。

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