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2011年4月20日 (水)

企業によるNPOの支援

昨日は東日本大震災復興支援セミナーに行ってきた。内容は現地で支援を行ったNPOからの報告と企業からの取り組み事例の紹介だったのだが、印象に残った発言や感じた事などを記録しておく。

・ボランティアは、相手に感謝されている間は半人前。自分達が感謝できる関係が作れて一人前。
・外からくる人はボランティア、現地の人は(同じ事をするのでも)雇用するのが原則。
・今回の震災は、原発の問題がなければ(国全体への)経済的被害はそれほど大きくない。が、同じ規模で東南海地震が発生すればその被害は計り知れず、十分な備えが必要。
・備えあれば憂いなし、ではなく、憂いがあるから備える。
・あれば嬉しい「公益」と、なければ困る「公共」は違う。公共は税金で対処し、公益には民間がどんどん関わるべき。
・社会貢献としての雇用はしない。しかし雇用が復活するための支援はする。

会場からの質問にもあったのだが、公平性が重視される義援金と違って、特定のNPOへの支援金というのは、企業としての意思決定が難しい事がある。どうしても公平性を意識してしまうからだ。

この壁は本社に近い組織であればあるほど高くなる。そのNPOの事がよく分からない、といった話は実は瑣末な話で、調べようと思えばいくらでも調べられるはずだ。問題は「こっちを支援してあっちは支援せず」という指摘に対し、回答の根拠が得られない点にある。

おそらくこうした場合の支援判断は、本社ではなく各現場で行った方が良いのだろう。ある程度のポリシーとガイドラインを決めておき、情報だけは寄せられるようにしておいて、判断は任せる。現場の方では、特に公平性は考えず、ポリシーに沿っていれば、あとは「縁」と「その時の状況」で支援するかどうかを決める。

考えてみれば、商売はそうやって行われている。企業のビジネスは、多少の全方位外交のようなポリシーはあっても、基本的には個々の顧客ごとに判断された結果の集積だ。であれば、社会貢献に対しても同じスタンスはあっていい。

ただ、問題があるとすれば、それは現場への負担にもなるという点だ。そもそもこうした機能の多くが本社に集中しているのは、現場の負荷低減と効率化によるところが大きい。今回の震災を特例とするのは簡単だが、実際に判断するには普段からの経験が必要だから、急にそうしてくれと言われても困ってしまうだろう。

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