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2011年6月29日 (水)

企業はエコノミックアニマルである

震災復興関連続きだが、昨日はJENの主催する「企業とのダイアログ」に参加してきた。「東日本大震災から3ヶ月:今、起こすアクションを考える~持続可能な社会の再生~」というテーマで、「ダイアログ」とあるように話を聞くよりは、互いに話をする性格が強い。

東日本の復興はある意味ハイチよりも遅れている、という指摘があったのだが、ショックだが分からない話ではない。特に大きな遅れは持続可能な支援のシステムの構築だそうだが、原発の問題があるとはいえ、政府国会の右往左往を見ていると、なんとなく納得できてしまうのは情けないだろうか。

さておき、昨日の議論で個人的に力説してしまったのは、復興支援における企業の支援は、「企業論理としては」企業に利益をもたらすものであるべき、という話。
この辺りは価値観的な部分も含めて議論が分かれやすいのだが、震災復興に限らず、企業にとっては社会貢献であっても自社に利益をもたらすものであるべき、というのが個人的な意見だ。

(ただし、その利益は必ずしも直接的なリターンでなくても良い。例えば従業員のモチベーションアップや優秀な人材の確保、企業イメージのアップなどでも良い。)

根底には、CSRの議論が、企業がさも良い人格を持つべきといった議論に流れがちな事への疑問がある。

企業はエコノミックアニマルで良い、あるいは強力な馬力を持った馬車で良い、というのが自分の考えだ。それが企業のパワーを生む。ただし、それに関わるステークホルダー、特に従業員や経営者は「アニマル」ではない。調教師であり、御者であるべきだ。

「エコノミックアニマル」と呼ばれた頃の日本企業は、社員までもが「アニマル化」していたのだ、と思う。いわば企業という怪物に人が飲み込まれた形になっていた。

「企業が倫理観を持ち」「社員がそれに従う」では、図式がまったく変わらない。社員は企業に飲み込まれたままだし、企業自身には「倫理観」という行動原理と「利益追求」という実際の行動の乖離が生じてパワーが鈍る。

そうではなく、「利益追求に突っ走る」企業のパワーを「いかにその行動原理は変えずに行動を変えるか」という視点で、「操る」あるいは「利用する」のが、ステークホルダーの役割なのだ。言葉は悪いが「騙す」と言っても良いだろう。そんなしたたかさが求められている気がしてならない。

企業に倫理観を持ってもらうなんて、ナイーブな事を求めても、それは幻想にすぎない。

震災復興において、被災地を「支援したい」と思うのは、個人たる従業員や経営者の「役割」だ。そのために企業の行動原理を利用するのが人としての知恵だろう。企業に支援の意思を持ってもらって、それに乗っかっているのでは、いつまでたっても構造は変わらない気がする。

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