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2011年8月22日 (月)

NPOと企業とのパートナーシップ

先週、NPOのマネジメント研修のお手伝いをする機会があった。企業との協働の機会を得たいNPOによるアプローチの相手をするというものだ。

NPOと企業とがパートナーシップを結ぶために必要なことは何か。

特にNPO側からのアプローチを考えた時に、個人的にいつも欠けていると感じる要素がある。
それは、そのNPOが考える課題が解決された結果、どのような社会になるか、というビジョンだ。

例えば、エイズ孤児がいなくなったらどういった社会になるのか。地雷がなくなったらどんな社会になるのか。「安全で平和な社会」といった漠然としたイメージではなく、もっと具体的な青写真としてどんな社会にしたいと考えているのか。

その方向性が一致した時に、パートナーシップは生まれる。描かれた社会像に、NPOと企業双方が互いのリソースを生かしてアプローチするのが「パートナーシップ」ということだろう。それがない間は、企業が「NPOを支援している」にすぎない。

企業が支援を行うことで「団体から」リターンを得ている場合、それは企業とNPOの間で取引が発生しているだけとも言えるだろう。キャンペーンによる企業イメージ向上も、寄付付き商品による売り上げ向上も、突き詰めればそうした取引にすぎない。

もちろん、それはそれであって良いが、それはパートナーシップとは言えないような気がするし、相互の取引である以上、いつ中止されても文句は言えない。

そうではなく、企業が支援を行うことで「その社会から」リターンが得られるようなモデルを構築する必要があるのではないか。NPOと企業が手を組んでその課題にアプローチすることで、解決を図ると同時に双方がそれぞれのリターンを得るというモデルがあって、初めて協働と呼べるような気がしなくもない。

あるいは、企業がNPOを支援し、NPOが社会を支援し、社会が企業にリターンをもたらす、という三角形の循環が生み出すという方法もあるかもしれない。

こうした方法は、すでにマーケットである場合には、比較的構築は容易だ。例えば東日本復興支援は、その復興がそのまま企業にとってのリターンにもつながってくるので、モデルは構築しやすい。

一方国際協力NGOなどの場合は難しいだろう。その企業にとってはマーケットとしてのターゲットでさえない地域かもしれない。そういった意味では、どういった企業が「手を組む」相手として良いのか、という見極めも必要になってくる。

こうした考えはまだまだ一般的ではなく、実際には団体からリターンを得る形で企業が支援をしているケースが多いような気がするが、今後はそうしたモデルを構築することが必要なのではないか、という気がしている。

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