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2011年10月21日 (金)

CSR評価セミナー2011「人権CSRの時代 見せかけCSRの読み解き方」

昨日はアムネスティインターナショナル日本のCSRセミナーに行ってきた。数年前から大体参加していて、以前は「CSRレポート評価セミナー」として報告書編集の参考にするためだったのだが、今は少し内容が違うらしい。

内容は、前半が講演&報告で後半がトークセッション。

(講演)
企業と人権:その新しい潮流(寺中誠氏)
CSRの新潮流を読む(藤井敏彦氏)
(報告)
みんなのCSRリテラシー(アムネスティインターナショナル日本CSRチーム)

トークセッションは会場から集めた質問に講演者が答えるという形で進められた。

少々厳しい評価をすれば、学術談義になってしまっているような印象がある。知的好奇心を満たす上では面白いかもしれないが、このセミナーによって何を変えていきたいのか、という部分が良くわからない。

個人的には、今回の登壇者でもある、アムネスティの前事務局長の寺中氏が以前言っていた「人権は困っている人を守るためのツールで、概念として守るべきといった議論に意味はない」という趣旨の発言がとても印象に残っているのだが、そこから離れてしまっているような雰囲気を感じるのだ。

「知識として」参考になった事はといえば、資生堂の動物実験廃止の捉え方や、欧州での個人情報保護の背景といった話、社会の中で新しいプロダクトやサービスをどう位置付けるかという議論における日本の弱さなどだろうか。

こうした特に欧州でのCSRの背景などを知ると、日本のCSRにおける最大の弱点はそれが「企業主導」で進められている点だという事を痛感する。良くも悪くも企業中心という事だ。
藤井氏は「(企業)内のロジックを外(社会)に当てはめようとしている」という言い方をして、そうではなく「外の考えを内にどう取り込むか」が重要としていたが、企業の「内」にいて感じるのは、その「外」の脆弱さで、図らずも今回のセミナーはその弱さを証明してしまっているような印象がある。

もちろん企業側でセンサーを張り巡らせ、外の動きを取り込んでいく事は必要だ。しかし、そこで「企業はそうあるべき」という言い方をしてしまうこと自体が「企業に頼っている」事に他ならない。アムネスティのようなNGOや、CSRを推進しようとする有識者に求められているのは、無理やりにでも企業に気づかせる(そして可能な限り反発を招かない)手腕であって、「企業かくあるべし」「社会かくあるべし」なんてベキ論の話ではない。

自分は企業「内の人」なので、そんな見方をしてしまうのだが、「外の人」はどう思っているのだろうか。

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