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2011年11月17日 (木)

多様性を支えるための均質化

昨日はKM学会の多様性研究部会。やや久しぶりに参加したような感覚だったのだが、結構楽しい議論だった。

組織におけるダイバーシティがテーマという事で、とあるスーパーにおけるパート労働者のマネジメントについて議論をしたのだが、印象的だったのは、従業員の働き方の多様性を担保するためには、評価基準や職務内容、組織風土の均質化が重要なポイントになるのではないか、という点だ。

説明が難しいのだが、組織の構成員の職務がある程度同じで、職能給の形で評価基準が統一されている場合、働く側にステージを選択するイニシアチブが生まれる。(ただしこれは「時給」の形で給与がスライドするという条件が不可欠で、固定給の場合はやや事情が異なるだろう。)

一本化された評価基準の中で、個々が自分でポジションを選んでいける(もちろん無条件ではなく能力は必要だが、その基準は明確になっている)場合、自分のライフスタイルにあわせた働き方が選択できる事になり、それはそのまま働き方の多様性につながる。

ただ、これはある程度限定された条件・環境下の話だ。労働市場における競争が激しくなく解雇が発生しにくい、家計における役割が絶対的ではない、といったものだろうか。さらに組織自体が単一の機能に特化して単純化されている必要がある。

問題なのは、現在求められているダイバーシティマネジメントはおそらくその対極にあるという点だろう。評価基準を固定化して、その枠に個人の能力や意欲を当てはめるのではなく、個
人のポテンシャルを最大限に活かすために、その個人の能力・意欲にあわせて評価基準の側をフレキシブルにする事が今求められている事だからだ。

昨日のモデルでもし参考になるとすれば、評価基準を一本化して均質化すると同時に、縦割りの組織とは別の、横断型のいわゆるプロジェクトで、その評価基準から「はみ出す」個人の能力を吸い上げる(別に手当のような形で評価にも反映される)仕組みがある点だ。

つまり、評価軸を複数用意し、それぞれの軸は均質化(うまい言葉が出てこない)した上で、取捨選択や組み合わせでフレキシブルな対応が可能なようにする、という感じだろうか。

とはいえ、こうした事が難しいのは、その制度のデザインに実際に評価される側が加わっていると、それぞれの利害が絡んできてしまう点だろう。政治家による選挙制度の見直しと同じで、大抵の場合そこには別の思惑が絡んでくる。

昨日のモデルケースでは、評価制度の大枠を構築した人たち自身は、その評価制度には組み込まれない(パート労働者という事も関係しているだろうが)事が、逆に制度デザインに成功した原因ではないか、という話もでたのだが(というか自分がしたのだが)、それができるケースはかなり限られてくる。特にいわゆる正社員の評価制度となると、かなり難しくなってくるのは間違いない。

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コメント

昨日は久々に楽しい議論の会でした。ありがとうございます。組織の中でのダイバーシティを語る時、昨日は余り出ませんでしたが、インクルージョン--全てを包含する--ということも同時に出てくると思います、一見相反するように思えることですが。そのための共通理念/風土や評価軸をどう設定するか?マネジメントがどうそれを浸透させるか?難しいかもしれませんが、同時に面白いところでもあると思います。

投稿: モモフルート | 2011年11月17日 (木) 09時56分

こちらこそありがとうございました。たまには?ああいう事がないと脳が不活性になっていくような気がします・・・。

さておき、組織として考えた場合、どこかに共通性や統一性は必要な訳で、すべてを包含するというのは複数の組織も含めた「社会」のスケールで語られる事かな、という気がしなくもありません。

例えば日本の場合、労働市場を含めた流動性や多様性が低いため、組織の方にそれが過剰に求められてしまっている、という側面もあるように思います。

投稿: ProjectK | 2011年11月22日 (火) 08時08分

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