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2012年2月15日 (水)

「世のため人のため」は他人事

昨日、こんな事をほぼ日手帳にメモしていた。

「他人のため」というのは冷静に考えると他人事という事でもある。
「自分のため」であるからこそ、それは我が事となるのであり、大切なのは、他人のための行動を自分のために置き換える事にある。

断っておくと、別に「世のため人のため」という動機を否定したい訳ではない。ただそれって、それだけだったらもしかしたら他人事かもしれないよ、と思っただけだ。きっかけは損保ジャパンのCSRコミュニケーションレポートにあるこんな文言。

地球規模の気候変動によって、巨大ハリケーンや大洪水など、異常気象による大規模災害が増加しています。保険会社にとって、気候変動のリスクに「適応」し「緩和」を促すことは、重要な経営課題であると同時に、ビジネスの「機会」でもあります。

以前聞いた事があるのは、損害保険会社にとって自然災害が増える事は、それだけ保険の支払いが増えるという事であり、経営上の大きなリスクだという話だ。なくなってしまえばもちろん保険自体がなくなってしまうが、なくならない以上、その発生を防ぎ被害を減らす事は経営上極めて大きな命題、つまり「我が事」になる。

自分に直接影響のない事で、我が事としての関心を持ち続けるのは難しい。であれば、「世のため人のため(だけど自分のためではない)」状態から「世のため人のため自分のため」という状態に価値観を転換する事が重要だろう。特に、人と違ってロジカルな行動原理を持つ企業などの組織の場合はそうだ。

企業が社会貢献に積極的でないとされる事が多いのは、企業自身の問題だけでなく、社会の側で「我が事ではない社会への貢献」を求めてしまっているからではないか。企業活動の多くは、それ自体「世のため人のため自分のため」である事が少なくないが、ここに「自分のため」がある事で、その活動が「社会貢献ではない」と受け取られてしまっては、企業は「他人事」の社会貢献しかできない事になってしまう。それは一方で「自分のため」の活動においては「世のため人のため」を切り離して良いという意識にもつながるだろう。

「自分のため」というのは、それに取り組む事が他人事ではなく我が事だという宣言でもある。
そういう受け止め方、そうした動機付けが重要なのではないか。そんな気がする。

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