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2012年3月23日 (金)

女性役員比率の比較の前に

少し疑問を呈してみる。断っておくが、こうした流れが気に入らないとか、そういったわけではない。

欧州委員会、上場企業に「女性役員比率4割」の義務付けを検討――下田屋毅の欧州CSR最前線(7)
http://www.csr-communicate.com/csrtopics/20120321/csr-25104

少し気になっているのは、こうした国では「役員」はどのように決まっているのか、という事だ。欧米の企業では、そもそも役員にせよ社員にせよ、役職に人があてがわれる形で決められており、「長く勤めて叩き上げで役員に登りつめる」ということが少ないのではないか、という印象があるからだ。新興国ではどうなのだろうか。

能力があれば、エレベーターで目的の階に一気に上がる企業と、エスカレーターで1階ずつ上がる企業とでは、やり方は全然異なってくるような気がしなくもない。女性役員比率はそれはそれで大切だが、そのバックグラウンドとして役員(ポジション)へのキャリアパスがどれだけ多様かという事が、実は重要ということはないだろうか。

叩き上げが9割10割を占める会社と、社外も含めた抜擢の比率が高い会社とでは、まったくアプローチが違ってくる。叩き上げ主義を返上するのであれば一気に比率を上げることも可能だが、維持するのであれば育成する所から始めなければならない。

政治の世界もそうだ。現役の元で下積みを重ね、地盤を引き継ぐスタイルと、ポーンと誰でも立候補できて対等に争う環境とでは、変化を促すためのアプローチはまったく違ってくるだろう。

そういう意味では、ジェンダー意識だけの問題ではなく、キャリアパスの多様性を高めるような課題提起が必要な気がする。

こうした話が出た時の(日本)企業の反応は「現在育成中で時間がかかる」「女性のキャリア意識にも変化が必要」といったものだろう。これは単独のキャリアパスを前提としたものに思える。前者はもちろんだが、後者も結局は「今のキャリアパスに合わせた意識」変化を求めるものだからだ。

そうではなく、男性も含めて「どうやったら役員になれるか」というルートがどれだけあるかという議論が必要な気がしてならない。ジェンダーの問題にしてしまうと、どうしても「女性を優遇するのか」という反発が生まれやすいが、そうではなく、男性も含めた登用ルートの多様性といった議論で進めていく事はできないだろうか。

もちろん、そうして検討されるルートが「たまたま」女性に有利であっても、それは「従来ルートは男性に有利」とバランスをとるものとして、全然構わない話である。

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