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2012年3月12日 (月)

被災者であり支援者である

昨日で発災1年となった東日本大震災。
366日目にあたり、先週参加したピースウィンズ・ジャパンの東北復興支援トークライブで聞いた話について書いておく事にする。
(とはいえ、内容自体は社内向けに発信したものだ。ほぼ週に一度、震災支援関係の情報をイントラネットの掲示板に投稿している。なお、内容について当人に再確認はしていないため、細部において聞き間違いや記憶違いがある可能性がある。)


今回は、少し重い話です。

火曜日に気仙沼市の教育委員会の方のお話を聞く機会がありました。

その方は、あの日車で外出をしていて、発災12分前に事務所に戻っていたそうです。

「ちょっと時間が違っていたら車ごと津波に巻き込まれていたかもしれない」
と話されていました。

津波に流されそうなおじいさんに、遠くから声をかける事しかできなかったという話を聞きました。
津波を逃れて家の屋根にあがり、水がひかずに降りれないまま、寒さで亡くなった方の話を聞きました。

その方はその話を、翌朝泥だらけの状態で避難してきた人から聞いたそうです。
「どこの屋根に2人、あそこの屋根に3人、5時ごろまでは動いていたけど、来る時に声をかけたら返事がなかった。伝えたぞ!伝えたからな!」
避難してきたその人はそれだけ言ってその場にうずくまってしまったそうです。

それでも、自分は亡くなった人を見ていない。本当の修羅場を見ていない。だから話せるのだ、と言っていました。

2週間前に、「初めて話をする事ができた」という人の話をしていました。
同僚が当時遺体の確認作業をしていたことを最近まで知らず、知った時に声をかけたら「思い出したくないので、その話をしないで欲しい」と言われて反省したと話していました。

会場からは鼻をすする音が所々から聞こえました。

気仙沼では、学校にいて津波の犠牲になった子どもは一人もいなかったそうです。
でも、その日休んでいた子ども、下校途中の子ども、親が迎えに来て一緒に帰った子どもたちの中には、被害にあった子どももいたそうです。

岩手県では、こうした時にはたとえ親であっても子どもを引き渡さないと決まっているらしいと話していました。
押し問答の末、親と帰らせてしまった学校の校長先生は、「あの時帰らせてしまって本当に良かったのか」と、今でも後悔しているそうです。


一方で、こんな話もありました。

避難所で一人3枚のビスケットを配っている時に、一度配ったはずの人が手を伸ばしてきて、反射的に身構えてしまったそうです。

でもその人は「3枚と言われていたけど、4枚取ってしまった」と返しにきた人でした。
その方は、自分がその人を一瞬でも疑ってしまった事をとても恥じていました。

800人の避難所で、毛布が足りないと話した時に「それを何とかするのが行政の仕事だろう!」と怒られ、こう言ったそうです。

「私を責めるならいくらでも責めてください。でも毛布はありません。今なら近隣の家には残っている物もあると思います。私を責めるのと、みなで手分けして集めるのと、どちらにしますか」

結果として、800枚の毛布が集まったと言っていました。


その方は、ご自分の経験や感じた事を、一人でも多くの人に伝えるべきだと思いました。

上司に相談したら、「呼ばれる限り、どこへでも行け」とあと押しされたそうです。

沖縄の学校から呼ばれた時は、自費で行ったそうです。
インドネシアのスマトラ沖地震の被害を受けたアチェに招待され、6000人を前に話したこともあるそうです。

この日の翌日も、横浜と東京の3か所で話をすると言っていました。

この方は、伝えたいことは「命の大切さ」なのだと話していました。

防災教育は大切だが、何故大切なのか、何のために防災するのか。

その根っこにある命の大切さを伝えたい、と話していました。

そして、今できる事は何だと思いますかと、話を聞く子どもたちに尋ねるそうです。

「何があったのか忘れないでください」
「思いは必ず通じると祈ってください」
「今生きていることに感謝してください」
「そして自分は何をすべきか考えてください」

「でも、何をすべきか考えるというのは、もう一度募金をしようといった話ではありません」
「今、被災した人たちに感じたのと同じ気持ちで、隣にいる人を大切にしていますか?」
「生きるというのは、自分と、すべての人を大切にすることです」

・・・そんな話をするそうです。

最後はこんな締めくくりでした。

あの震災では、みなさんも心に大きな傷を負いました。
東北にはいなくても、あの震災を経験したみんなが被災者なのです。
そして同様に、一人ひとりが支援者なのです。

ありがとうございました。

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