« 出血大サービス | トップページ | 千葉フィルハーモニー管弦楽団サマーコンサート »

2012年8月10日 (金)

SECIモデル

久しぶりにナレッジマネジメントに関する相談などを受けたので、SECIモデルを思い出してみる。詳細がばれない程度に回答内容を整理しておこう。

SECIモデルについては、検索すればいくらでも出てくるので、参考までにこの辺りを紹介しておく。

SECIモデル - @IT情報マネジメント用語事典
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/seci.html

組織における知識創造を4つのプロセスに分解し、それぞれの頭文字を組み合わせたのがその名称の由来だ。

■共同化(Socialization)
共体験などによって、暗黙知を獲得・伝達するプロセス
■表出化(Externalization)
得られた暗黙知を共有できるよう形式知に変換するプロセス
■連結化(Combination)
形式知同士を組み合わせて新たな形式知を創造するプロセス
■内面化(Internalization)
利用可能となった形式知を基に、個人が実践を行い、その知識を体得するプロセス

実務上のポイントは、それぞれのプロセスをどうマネジメントし、どのように「繋ぐか」にある。

相談内容(メール)から推察するに、これまではスタッフ部門が既存の知識データベースから連結化したナレッジを現場に対して内面化を仕掛けるアプローチを中心に行っていて、これはある程度成功しているらしい。

そこで次のステップとして、現場の持つナレッジを表出化し、連結化を行うまでを仕掛けたいという事のようだ。
(余談だが、SECIモデルの要となる「ナレッジの創出」は上記の内面化プロセスが担っているが、これはあまりマネジメントできる要素がない。というよりも、元々SECIモデルはそうやって生まれたナレッジをどう組織内に循環・昇華させていくかというモデルで、内面化プロセスを前提として、そのナレッジをどうするかを解決する事が目的と言えるだろう。)

さて、表出化をどうマネジメントするか。個人的に最大のポイントは「一気に連結化までを求めない」事にあると考えている。特にITを活用した仕組みを構築する時などは、その切り分けが重要になる。

表出化とは「何でも良いので暗黙知を形式知化する」プロセスの事だ。大切なのは「他の人がアクセスできる」形にする事であって、「他の人が使える」形にする事ではない。表出化されたナレッジを「他の人が活用できるナレッジ」にするのは、次の連結化のプロセスが担う役割だ。

これを別の形で表現するのであれば「役に立たなくても良いのでとにかく吐き出す」事をとにかく重視するべきという事になる。むしろ、大半は役に立たないと最初から前提にするぐらいが良い。

ここが議論が分かれるというか、勘違いされやすいポイントだろう。SECIモデルの最も秀逸な部分は、この「表出化」「連結化」プロセスを分けている事にあるとさえ個人的には思うのだが、多くの「ナレッジマネジメントシステム」がこの両者を切り分けていない。それ以上に運用する人たちが切り分けて考えていない。

その「分かっていない」最たる発言が、「役に立つ情報が入力されない」という嘆きと「他の人の役に立つ情報を入力せよ」という指示だろう。もっと勘違いが進むと「入力される情報が氾濫している」になる。

表出化の段階では「役に立つか」どうかを求めてはいけない。「整理されているか」も求めてはいけない。

それらは、次の連結化のプロセスの役割であり、ナレッジを「吐き出す」人達の役割ではない。メモとして氾濫するナレッジを、使える形に整理するのは、目利きの役割だ。

SECIモデルの根幹は人の中でナレッジが生まれる共同化プロセスにあり、そのナレッジの「完成されたデータベース」が連結化プロセスといえる。ではなぜその二つだけのモデルではなく、その間に「表出化」「内面化」といったプロセスが挟まれているのか。

それは共同化と連結化を直接結びつける事が困難だからだ。一方で簡単に結びつける事ができそうにも思えるのがミソで、そこを勘違いすると「コケる」事になる。
(特にマネージャーやスタッフは勘違いしやすい。なぜならそもそもこうした人達は「連結化」を主業務とする人達で、そこができるのは当然と思ってしまいやすいからだ。)

そういった意味ではこのモデルの真髄は表出化と内面化にあるとも言えるだろう。


さて、そんな訳でアドバイスとしては「現場に連結化までを求めてはいけない」になるだろうか。もちろん、そんな一言で伝わるわけではないので、具体的な例示をして説明する事になる。

|

« 出血大サービス | トップページ | 千葉フィルハーモニー管弦楽団サマーコンサート »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22760/55390329

この記事へのトラックバック一覧です: SECIモデル:

« 出血大サービス | トップページ | 千葉フィルハーモニー管弦楽団サマーコンサート »