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2012年10月25日 (木)

信頼感と信頼関係

企業が顧客や社会からの信頼を得ようとする目的は、身も蓋もない言い方をすれば提供するサービスや商品に価値を上乗せするためだが、もう一つ考えられる要素として、失敗や苦境に陥った時に許容して助けてもらえるようにというのがあるのではないかと思う。

なんらかのミスが発生した時に「まぁ今回は仕方ないけど次はよろしく」と言われるのと「こんなことがあるようでは今後取引はできない金返せ」と言われるのでは大違いだ。信頼関係を構築するというのは、多分にそうしたクッションを積み重ねる要素があるのではないか。

ただ、ここではたと考えてしまうのは、「ミスをしない」という結果を積み重ねることで、その関係は作れるのだろうかという問題だ。「あそこはミスをしない」という信頼感の獲得は、1回のミスで「信頼を裏切られた」に逆転するリスクを孕んでいるのではないか。とはいえ、だからといってミスが多かったら信頼関係を築くどころではない。

ミスをしない、問題を起こさないことは、信頼感を育む上で重要な要素だ。でもそれだけでOKということはなくて、それを大前提とした上で、何か別の要素を積み重ねる必要がある。必要条件だが十分条件ではないとか、衛生要因だが動機付け要因ではないといった捉え方をすると良いのかもしれない。

では、何を積み重ねるか・・・というのが信頼関係構築の上での大きな命題になる。

答えがあるわけではないのだが、一つ考えるヒントになりそうなのは、信頼「関係」という言葉だ。これは双方向性を感じさせる言葉だが、例えば「ミスをしない」というアクションには、そうした双方向性がない。企業は顧客や社会から信頼を得たいと思っているが、そこにも双方向性があるようには感じられない。

以前あるインタビューで、企業に必要なのは信頼されることをより信頼することではないかという話をした事があるのだが、社会が企業に寄せる信頼と同じかそれ以上に、企業が社会に寄せる信頼とはなんだろうかという事を考えてみると良いのかもしれない。

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