« CSRコミュニケーションと消費者 | トップページ | 三連休の過ごし方 »

2013年2月 8日 (金)

企業の社会貢献活動のあり方

「本業と結びついたCSR」という言葉がある。

言葉がある、という言い方をしたのは、個人的に概念としてはまだしっくりきていないからだが、ここでいうCSRの定義についての議論は別の機会にするとして、ざっくり「社会貢献」と捉えておこう。

(なぜ一般的な「社会的責任」としないかといえば、そうした場合に「本業と結びついた社会的責任」と対になるはずの「本業と結びつかない社会的責任」というのがどうしても思いつかないからだ。一方「本業に結びつかない社会貢献」であればいくらでも考えられる。そもそも、結びつかないものが多いから結びついたものをめざせというのが、冒頭の言葉の真意だろう。)

なぜ本業と結びついていなければいけないのだろうか。

よく言われるのが、本業に結びついていない(本業にメリットをもたらさない)社会貢献は、本業の不振の影響を受けやすく、持続的でないというものがある。

でもこれは実はちょっとおかしい。企業というのは、本業であっても不振であれば切り捨てる意思決定をするものだ。もちろん、そうならないための努力は最大限行われるが、程度の差はあれ、何らかの形で事業に結びついている事が、その活動の持続性を担保する訳ではない。むしろ、結びついているからこそ一蓮托生とも言える。

企業のガバナンスとして、利益に結びつかない活動は説明責任を果たせないという理屈もある。

しかし、単独で利益を生み出せれば、それは立派に一事業である。また、事業の中には単独でメリットは生み出せなくても、他の事業との組み合わせなどにより、企業トータルでメリットを出している場合もある。では、社会貢献活動はそうした「事業」の一つとして考える事はできないのだろうか。

そもそも「ガンガン稼いでその利益を社会貢献につぎ込みます」という意思決定はあり得ないのか、という気もする。会社の利益は、原理上は出資者のものだから、そこでは企業というよりも出資者(一般的には株主)の思惑が大きく影響するかもしれない。

身も蓋もない捉え方をするなら、株主に利益の一部を分けてもらうためにある口実が「本業と結びついた」にあるとも言える。本業にメリットをもたらす=出資者の利益を損ねない、という構図がなければ、その意思決定を受け入れてもらうのは難しいからだ。

でもそんな言い訳みたいな話で良いのだろうか。

「本業には結びついた社会貢献」という考え方にやや疑問を感じてしまうのは、その活動を企業が行うことに対する動機や理屈が「本業に結びつくこと」で良いのだろうか、と考えてしまうからだ。活動の社会的価値やその必要性が明確に誰にでもストンと落ちるものなら、そうはならないのではないか。逆にそこまで突き詰められていないから、「本業に結びついた」に逃げてしまっているのではないか。

「本業に結びつけばそれで良いのですか」そんな意地悪な事を考えてしまったりするのだ。

|

« CSRコミュニケーションと消費者 | トップページ | 三連休の過ごし方 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22760/56720486

この記事へのトラックバック一覧です: 企業の社会貢献活動のあり方:

« CSRコミュニケーションと消費者 | トップページ | 三連休の過ごし方 »