« 変える転機 | トップページ | 演奏会終了 »

2013年10月11日 (金)

弓順を考える

今日は諸々ありそうなので電車の中でブログを書いておく。

知り合いから弓順を考える時のポイントを聞かれた。

とはいうものの、府中ではここしばらくコンマスがすべて弓順を指定する体制をとっているので、実はあまり考える事がない。弾きやすい弾きにくいを感じる事はあるが、それはそれでその指定に理由がある事も多く、他のパートとのバランスもあるので基本的にはそのまま弾くというのが今の自分のスタンスだ。

ただ、弾きやすさやフレージングを考えるポイントというのはあるだろう。特にアマチュアの場合、プロほど自在に弓を操れるわけではないので、そもそも弾ける弾けないに直結する場合もある。

まず原則としては、強拍がダウン、弱拍がアップになる順番を考える。感覚として日本人はダウンボウの方が強く弾きやすい。アクセントやsfなどもそうだ。
この辺り欧米人は違うのではないかと以前チェロ仲間と話題になったことがある。日本のノコギリは引く時に切れるのに対して、西洋のノコギリは押す時に切れるからだ。

ダウンボウとアップボウの音の出方については捉え方が難しくて、例えばブルックナーの8番の冒頭のアウフタクトは、楽譜にアップボウの指定があるが、やってみるとどうしてもその音に重心を置いたニュアンスが出なくてダウンからに変更したりした。アウフタクトやアクセントのボーイングにおける扱いは日本と西洋では根本的に違うかもしれないと感じた記憶がある。

閑話休題。その辺りは日本人でもきちんと訓練されていればできるのだろうが、アマチュアはその辺りの限界も考えながら弓順を組み立てていく必要があるということだ。

次にフレーズの終わりをどちらにしたいかを考える。これは常にどちらかということはないが、終わりをどのように弾きたいかから逆算して組み立てないと最後になって乱れたりしてしまう事があるので、弓順をあらかじめ考えておく必要のあるポイントだろう。

私見だが、初心者の間というのは、フレーズ等に関係なくダウンとアップを順番に繰り返すというのが弾きやすいように見える。途中でアップを繰り返したり、ダウンを繰り返したりするとそこに戸惑いが見えたりする。

ただこれはフレーズも何もなくただ音を出すだけの状態だからだ。

ある程度慣れてくると、今度はダウンでの弾きやすさ、アップでの弾きやすさのようなものが出てきて、逆にただ順送りでは弾きにくさを感じるようになる。
おそらくその段階までに、アップボウでの音の出し方をきちんと訓練していれば表現の幅は広がるのだろうが、悲しいかな多くの場合アマチュアにはそこまでの余裕がない。

そこで弓順はその辺りの弾きやすさを前提に組み立てる事になる。

何だか結局は弾きやすさで決めるみたいな結論に落ち着きそうなのだが、そうした自分の癖に合わせるという事も必要なのだろう。合奏曲となると他のパートの事情なども考える必要があるが、それも程度問題で常に他に合わせるのではなく自パートに合わせてもらう事もある。

細かいセオリーのようなものは、数え上げる事もできるだろうが、結局のところそれだけが正解ではないとしか言いようがない。同じ曲でも全く違う弓順になった事もあるし、そういった部分は試行錯誤しながら良い形を追い求めていくしかない。

目的は弓順ではなく、音楽なのだから。

|

« 変える転機 | トップページ | 演奏会終了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22760/58360661

この記事へのトラックバック一覧です: 弓順を考える:

« 変える転機 | トップページ | 演奏会終了 »