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2014年10月22日 (水)

大編成ならではの最弱音

先日購入したCDを聴いた。

今回もどーんと買ってしまった。 マーラー1番のハンブルク稿版
マーラー2番の小編成編曲版
マーラー4番の室内管編曲版
ブラームスピアノ四重奏曲1番のフルオーケストラ編曲版

・・・と青木十良先生のバッハ無伴奏6番。
送信 10月15日 20:24 From Hootsuite

一気に聴ける訳もなく、まずはマーラーの4番から。

うーん、大地の歌の室内オケ編曲版は雰囲気含めてフルオケ版よりぐっとくるものがあったのだが、4番はなんか淡々とした感じで原曲通りといえばそうなんだが逆に物足りない感じが。
送信 10月21日 18:34 From Hootsuite

つまり4番の場合は、フルオケならではの音の厚みが効果的にマーラーらしい雰囲気を生み出しているって事なんだろうか。確かに第3楽章のクライマックス付近の盛り上がりの箇所なんかは、曲全体の淡々とした印象を覆す圧力があって、あれはフルオケの厚みがないと醸す事の出来ない迫力かもなぁ。
送信 10月21日 18:39 From Hootsuite

そしてマーラーの2番。

小編成オケ編曲版の復活は、意外とフルオケと印象が変わらない。結局弦楽器が複数か単独かというのが大きいのかなぁ。
送信 10月21日 19:01 From Hootsuite

室内オケ版の4番と小編成オケ版の復活の違いは、細部はともかく弦の厚みの違いだと思うのだが、そういう聴き比べをすると自分は基本的には弦の厚みというのが音響的な好みなのだろうと思う。ダイナミクスだけならブラスでも実現可能だと思うのだが、それにはいまいち食指が働かない。
送信 10月22日 0:17 From Hootsuite

そのように考えると、室内楽をあまり聴かない理由も分かる気がする。積極的にやろうと感じない理由も。弦楽器の音ではなく、弦楽アンサンブルの音が好きなんだな。
送信 10月22日 0:19 From Hootsuite

で、復活の方は第5楽章のクライマックスが音飛びで途切れるという壮絶なオチを(今朝)迎えてしまったのだが、改めて今練習しているマーラーの5番などとも重ね合わせると、オーケストラにおける弦楽器の役割というか、魅力というのは、1本の弦楽器では到底出ないダイナミクスを実現できる点にあるのだろうと感じる。

大きい音だけではなく、小さい音に関してもだ。実際弦の各パートがほぼ1本のマーラー4番の室内管版よりも、フルオケ版の方が印象としては音が小さい。例えばそれは、シェーンベルクの浄夜の弦楽四重奏版と弦楽合奏版との比較であったり、バーバーの弦楽のためのアダージョと元になった弦楽四重奏曲との比較でも感じる。

それはおそらく、1本の楽器では音にならないような囁くような響きを、同じ楽器を複数重ねることによって実現できるからだろう。1本の楽器では音楽上それ以上小さくできない限界を超えて、さらに小さい音を出すことができる。大きい音に関しては言わずもがなだから、結果として(上手であれば)管楽器をはるかに上回るダイナミクスを実現出来るのが、「弦楽器」ではなく「弦楽合奏」の強みなのだ。「管楽合奏」では、おそらく同じような最弱音は実現出来ない(出来たらごめんなさい)。

逆に言えば、オケとしてそれが出来るようになれば、表現の幅が格段に広がることになる。一人一人一台一台としては聞こえないほどの弦楽器の音の積み重ねが、オーケストラの「囁き」を生み出す。マーラーなどで時折出てくるはっとするような静寂感は、そうやって表現されているような気がする。

逆に古典の曲などであまりそうした瞬間がないのは、想定しているオーケストラの規模の差で、1台1台がある程度の音を出す事が前提の書かれ方をしているからだろう。そう考えると大編成だからこそ、最弱音の表現が可能なのだとも言える。そうした効果が出せることに気がついた作曲家が、そのような表現を生み出してきたのかもしれない。

そうした音はどうやったら出せるようになるのだろう。個人での練習では、一つの楽器として落とせる限界までしか音量を小さくすることができない。10の楽器であれば、さらに落とせる音量を個人練習でイメージするのは至難の技だ。だが、それができなければ、結局マーラーの求める音量まで落とすことができず「うるさい(喧しい)」という事になってしまう。そもそも、合奏中に自分の楽器の音が聞こえていたら(溶け込んで聞こえないという事ではなく音量として)ダメなわけで、そうした「自分の楽器から出る音を耳でモニタリングしながら音を出す」やり方では到底奏でられるはずがない。

さて、どう練習したら良いのだろうか。

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