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2015年5月 1日 (金)

NBとPB

NB(ナショナルブランド)とPB(プライベートブランド)の違いについては、ブランドというものを捉える上で色々考えさせられる事が多いのだが、先日はこんな事を考えた。

しかしこういうのを読むと、PBというのは小売の最大の強みである「目利き」を失わせて、メーカーが得意とする「ものづくり」の土俵に巻き込んでしまう、長期的にはメーカー有利の戦略なのかも知れない気がしてくる。 / “「トップバリュやめよ…” htn.to/6vXJp9NXp3R
送信 4月29日 17:23
From Hatena

ものが作られてから販売されるまでの機能をメーカーと小売の2極に単純化して考えてみる(実際には卸や物流といった機能も間に挟まっていて事態はもう少し複雑だ)。

メーカーは、あたりまえだがものづくりに長けている。技術をベースにしたコスト低減や品質向上などにも強いと言えるだろう。
小売はそれらを仕入れて売る立場だから、目利きに長けている。市場のニーズを捉えるという点でも優位性があるだろう。

複数の商品の中から良いものを見極めてチョイスする能力、最終購入者のニーズを敏感に察知できる能力を生かして「ものづくりをする」というのが、PBの考え方だ。一般的にPBは安さが特徴となる事が多いが、本質から言えばそれは全体のコストのどこを誰が担うかを変えただけの話で、PBだからコストが安いと特徴付けるのは安直だろう。

PBづくりは、ものづくりの領域だから、その製造において目利きが優位に働く事はない。そもそもチョイスが存在しなくなるのに、目利きなど必要ない。品質の向上というのも、ものづくりの領域だから、小売の強みよりはメーカーの強みが発揮される領域だ。という事は、PBの持つ優位性は、直接接する最終購入者のニーズに敏感に対応できるという点にしかないという事になる。

しかしこれは昨今ではメーカーでも獲得できる能力でもある。肌で感じる事は出来ないだろうが、ネットの普及やビッグデータなど、そうしたニーズに近づく方法は格段に増えてきている。さらに言えば、「肌感」というのは、小規模組織である内は生かす事が可能だろうが、小売としての組織規模が大きくなれば意思決定の現場から遠ざかる事は想像に難くない。

かくしてPBはNBと同じ土俵の競争に巻き込まれる。そもそもCMなどを含めたマーケティング施策が必要になる時点でもうPBとは言えないだろう。そうしたコストが不要である事がPBの価格を支えていたとすれば、それを行うという事はそうした優位性を失う事にも繋がる。残るのは、NBメーカーとPBメーカーというメーカー同士の対決という構図になり、小売は目利きの余地もなく脇へ追いやられる事になる。

そんな事を考えたりしていた。英国などは日本よりもずっとPBの比率が高いそうだが、小売の寡占化も進んでおり、その競争構造は「小売という名前のメーカー同士の競争」のようにも思える。極端な話、メーカー側が小売業に進出した場合でも、同じような構図になっていたのではないだろうか。

では無印良品のようなオールPBのお店はどうなんだという話もあるかもしれないが、あれは小売からスタートしたと言ってもあそこまでいけばメーカーとほとんど変わらない。小売の機能を市場における複数の商品からの目利きにあると考えるのであれば、MUJIのあれは目利きではなく、ニーズに寄り添った「ものづくり」であろう。

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