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2015年7月28日 (火)

仕事を盗ませる難しさ

中身というよりタイトルに反応したのだが・・・

習う側の心構えとして、「盗む」「覚える」という気持ちが大切なのは言うまでもない。
が、「盗ませる」「覚えさせる」上で、より重要なのは、伝える側の自覚であろう。もちろん、弟子や部下をライバル視して、「盗ませない」「覚えさせない」妨害をするのであれば話は異なるが。

スキーや楽器などの世界でも、重要なのはただ見ることではなく「上手な人を見る」事である。数回のスキーでそこそこ滑れるようになった程度の先輩が、初心者の後輩を連れてスキーに行き、「自分を手本に盗め」「体で覚えろ」と言っていたら滑稽であろう。見て参考になるのは、インストラクタークラスの滑りであり、それも見せる自覚を持って滑っている姿である。

彼らは自分が見せたい内容を言葉でも伝えられる程度に理解した上で、言葉ではなく見せることで理解させようとする(まぁ実際には言葉も併用するが)。言葉で説明できないから見て覚えろ言うのとは、そもそもの次元が異なる。本来、見せるだけで理解させる方がはるかに難しいのだ。言葉に出来ないけど見て覚えろというのは、つまり言葉に出来ない自分の能力不足をお前が補えと言っているに等しい。

「仕事は盗め」「体で覚えろ」というのは、「教えることもできるけど」という暗黙の枕詞がなければ本来成り立たないものなのだ。

そこでこんな話になる。

そもそも職人の世界に比べて、オフィスワークというのは「盗む」という考え方が通用しにくい。加えてメールという通信手段は、非常に閉じた世界なので「見せる」という事がそもそも難しい。電話であれば自然に耳にしてやりとりの作法を覚えられたとしても、メールはそうではない。大体、見て覚えろと言われても、見える背中はPCをポチポチ打つ姿だけで、それは何の参考にもならない。

仕事を盗ませるつもりなら、盗めるようにしなければならない。目的は盗ませないことではなく、盗ませることだからだ。
盗めるように見せられないのであれば、「盗め」とは言わずに、きちんと教えるしかない。

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