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2015年8月11日 (火)

インナーブランディングと理念浸透

インナーブランディング(インターナルブランディング)は、特にそれがコーポレートブランドのブランディングである場合、経営理念の確立と浸透に主眼が置かれる場合が多い。インナーブランディングというのは、従業員を対象としたブランド浸透のことであり、コーポレートブランドの場合のブランドというのは、多くは企業理念に表されているものだから、その考え方自体はあながち間違いではない。

間違いではないと思うのだが、違和感がある。それなら何故「理念浸透」と言わずに「インナーブランディング」と殊更に言う必要があるのか。単なる横文字化なのか、それとも何か異なった概念があるのか。

さらにアウターブランディング(エクスターナルブランディング)と対比した場合、何かを浸透させるという目的レベルの話ではなく、手段としてのブランディングを考えると、どこかレベルが異なるような印象を受ける。インナーブランディングとアウターブランディングは、対象が異なるだけで同じなのか、それとも対象だけでなく手段や概念まで異なるのか。

インナーブランディングとアウターブランディングが同じかといえば、多分違うだろう。対象者が違うというだけでなく、インナーブランディングはその結果従業員の行動を通してアウターブランディングに結びつけるという目的がある。言ってしまえば、アウターブランディングの手段の一つだと考えても良い。ただ、それが手段という位置づけであるなら、当然そのゴールは理念の「浸透」ではなく、その結果体現された行動が、アウターブランディングとして成立することが必須になる。言ってしまえば、理念浸透もひとつの手段に過ぎない。

その辺りは企業の理念というものをどのように位置づけるかで違ってくるのかもしれない。本来企業の理念というのは、人類や社会の持つ「人としての理念」とは違う。あくまでも組織として行動する上での判断基準であり、指針である。それはつまり、ステークホルダーに対して、その組織がどのような組織であるかを印象付けるための規範と考えて良い。ここでいう「印象」というのは、もちろん見せかけのイメージではなく、本質として実体だが、当然ながら見た目のイメージも含まれる。

つまり、そうしたものとして理念が作られているのであれば、その浸透は限りなくインナーブランディングに近い。近いが、より現実的には、その浸透の結果がどのような印象につながるかまでをKPIで捉えられる必要がある。あるいは、理念自体をそうしたものに組み替えるといった事も必要かもしれない。

まぁ実際には理念までを修正するのは難しいとなれば、その理念を印象に結びつけるまでのプロセスをマネジメントすることが、インナーブランディングには求められる。それは具体的な行動規範であったり、評価制度であったり、研修制度であるかもしれない。

そのように考えると、インナーブランディングで重要なのは、理念浸透という目的ではなく、従業員の行動を規定するあらゆる取り組みに一貫性と整合性を持たせることだと言えるかもしれない。

企業理念を因数分解して、アウターブランディングに繋がる要素を抽出し、それに関わる従業員の行動を洗い出して、その行動を方向づける施策を俯瞰する。それらの施策の結果、従業員が同じ方向に向かうことが出来るかを検証し、施策間のバランスを調整する。

そうなると、単なる理念浸透とは違った要素が生まれてくるに違いない。多分インナーブランディングにはそうした緻密さが必要なのだろう。

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