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2015年8月 6日 (木)

モノづくりのスタイル

日本人のモノづくりはすり合わせに強みがあるという話は良く耳にする。これはそのモノの品質を高めるためる上では強みとなるが、コストを下げるとなると容易ではない。

対して欧米人(というか多分米国人)の強みは標準化によるコスト削減にある。品質についてはある程度妥協した上で、コストを下げる。そうする事によって、より多くの人に届けることができるようになる。もっとも、標準化にはある程度の品質を均質的に確保する意味合いもある。

すり合わせによる高品質のモノづくりにおいて重要なのは、モノづくりにこだわること以上に、そのモノの価値をきちんと伝えて、高くても納得して買ってもらうことだろう。つまり、単なる認知拡大ではなく、対象を絞り込んだコミュニケーションコストが必要になる。そもそも「大量に作って幅広く売る」という発想自体が本来はなじまない。大量に均質に作るために必要な発想は、すり合わせではなく標準化だからだ。

標準化による低コストのモノづくりにおいて重要なのは何だろうか。コミュニケーションとしては、ターゲットを絞るというよりは幅広い認知拡大が優先される。少量生産品は、売り手が顧客を選ぶ必要があるが、大量生産品は、顧客に選んでもらうための施策が中心になるはずだ。

高付加価値品というのは、その価値の方向性にある程度のベクトルがなければ突出した価値にはならないため、そのある意味では偏った価値を認めてくれる相手を商品の側から選ぶ必要がある。その場合は、販売チャネルもコミュニケーションチャネルも制限される。その究極が直営店で、高級ブランドがそうした直販を選択するのは、その商品の特性上至極当然の話である。

低付加価値品・・・というのは表現としてはちょっとおかしいので、より万人向けの標準化された付加価値品とでも言おうか(そういう意味では高付加価値品というのも違う呼び方が良いかもしれない)。そうした万人向けの商品というのは、相手を選ばないし選べないので、販売チャネルとコミュニケーションチャネルをいかに拡大するかが課題になる。より多くの人にリーチすることによって、買ってもらう人を増やすのが戦略の中心だ。チェーンストアとマス広告によって拡大する世界である。

どちらも理にかなったやり方だし、強みにそって展開すれば十分に戦える。中途半端に混同さえしなければ。

で、日本企業は結局どっちを選びたいのだろうか。

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