« このブログを継続するか | トップページ | 初第九 »

2015年12月25日 (金)

音楽は音質ではない

今朝通勤電車の中で聴いていたのは、カラヤンが1940年代に録音したベートーヴェンの7番だったのだが、ややドンシャリな感じの音質でこんな事を考えたりしていた。

考えてみれば、音質の良さというのは、技術の領域の話であって、芸術の領域の話ではない。もちろん、コンサート会場にいるような臨場感が得られるというのはそれはそれで魅力なのだが、音楽の音楽としての魅力は、実はそんなところにはないのだろう。

曲自体の良さというのはおいておくとして、個人的に考える演奏の良さというのは大きく2つの要素があると感じている。

一つはリズム。これは大学時代にお世話になった指揮者が「音楽は突き詰めればリズム」といった趣旨のことを言っていたのが印象に残っているのだが、実際その通りだろう。演奏者毎の違いが比較的出やすいのもこのリズムの領域で、特に作曲家が指定するリズムの変化をどのように捉えて表現しているかがポイントになる。

二つ目はバランス。オーケストラは(アンサンブルは)複数の楽器の音色の集合体だが、それぞれが個性を保ちつつも渾然一体となっているところに美しさがある。楽器ごとの音量をどのように調整して全体のバランスを創りあげるかが指揮者や演奏者の手腕であり、そのバランスの取り方によって曲の印象がガラリと変わることもある。

現代音楽になると、そうしたリズムやバランスもデジタルな形で作曲者が指定してしまう事もあるので、演奏者による解釈の個性が出せないと嫌う人もいるのだが、それにしてもリズムとバランスが音楽の印象を決めているということに変わりはない。

そしてこれらを録音した音源で再生する場合、二つ目のバランスの再現においては音質が重要になってくるが、リズムにおいては正直あまり影響しない。バランスについても、音源の編集の仕方によって変わってしまうもので、温度や湿度、聴く席の位置によってさえ変わってしまうホールでの音響をどのように再現するのかという問題が出てくる(もっともこれは究極指揮者の位置で聞こえる響きを再現できれば良いような気もするが)。

そもそも電車の中で聴くような場合は、その他のノイズの問題もあり、楽しめるのは実質的にリズムの領域ということになる。それでさえ、いやそれで十分に感動できてしまうのが実は音楽の素晴らしさだったりする。

ま、とはいえそれはそれとして、良い音質で聴くためであればそれなりに投資はしたいのである。AKGのヘッドフォンをやっぱり買うかな〜。


さて、昨日のエントリーにコメントをいただいた。(他のエントリーにコメントされていて、それがシステム的な不具合なのかどうかは不明。)

「結構、楽しみに拝読しています。ぜひ、続けてくださいませ〜。」

こういうコメントをいただくと単純に嬉しくなって続けようかと思ってしまうのだが、読んでいる方がいるならいるで、このままで良いのかと悩んでしまうのも確かだったりする・・・。

|

« このブログを継続するか | トップページ | 初第九 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22760/62934291

この記事へのトラックバック一覧です: 音楽は音質ではない:

« このブログを継続するか | トップページ | 初第九 »