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2016年11月24日 (木)

人生を縛る働き方

「時間に縛られない働き方」というのは、例えば「8時間かかっていた仕事を7時間で終わらせて(定時前に)帰ろう」という考え方も含んでいるはずだが、会社においてそのような発想になる事はほとんどない。多くの場合「8時間かかっていた仕事を7時間で終わらせて、残りの1時間で別の仕事をしよう」というのが、言外に含まれた考え方だろう。そのように考えると、ようは「仕事の効率とスピードをあげよう」という呼びかけと実はほとんど違いがないし、解釈次第によっては20時間働いても「時間に縛られない働き方」という方向にもなりかねない危険な呼びかけでもある。

そもそも、「時間に縛られない働き方」という呼びかけは、その発想自体が時間に縛られていると捉える事もできる。本当に「時間に縛られない働き方」をうたうのであれば、「時間」という言葉自体を使わない働き方の概念を生み出さなければならない。

しかし、それは恐らく不可能だろう。これは時間というものが、仕事に関わらず人生のあらゆる要素に関わってくるファクターだからだ。その中で、仕事という要素だけを時間から切り離すのは難しいし、無理にそうしようとすればどこかに歪みが出てしまう。我々は常に時間に縛られた存在なのだ。

そうした前提に立つのであれば、必要なのは「時間に縛られない」というメッセージではなく、「時間を有意義に使う」というメッセージではないかという気がする。会社にとってのそれは「仕事を進める効率とスピード」にある訳だが、自分の人生にとってのそれが何なのかは一人ひとりが考える必要があるし、会社はそれを大きく妨げる事がないように配慮する必要がある。それがなくなれば、両者の関係は主人と奴隷の関係になってしまうからだ。

逆にいえば、そうした事を考えていない経営者や社員は、相手や自分をそのように捉えているという事でもあるのだろう。両者の関係が良好で、互いにとって居心地の良い関係であっても。

そういった意味では、互いに良い関係で問題がないと思っている時こそ、そういった事を注意する必要があるのかもしれない。

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