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2019年12月10日 (火)

やる事がなくなるという事はない

働き方改革におけるマインドの転換で重要なものはなんだろうか。
昨日のミーティングで、「何もやる事がなければ早く帰ろう」という掛け声が出た。
しかし正直これは意味がないだろう。「やる事がなくなる」という事は、こと企画系の業務においてはほぼあり得ない。
何故なら、前倒しでできる事はいくらでもあり、我々は前倒しでやる事を仕事の美徳でありスキルとして躾けられているからだ。明日までに終わらせなくてはならない仕事はなくても、1週間後、1ヶ月後のためにできる事はいくらでもある。そしてそうした余裕を持つ事が、クオリティを上げる事に繋がる事も、我々は肌感として知っている。
結果としてやれるだけやろうとする。現実には長時間労働が集中力や創造力を低下させる事は実証されているが、それは実感ではない。やっている人間にとっては(極めて厄介な事に)そうした状態の方が脳が危機的状況をマスクするための脳内麻薬を分泌するので、むしろ「体感的には」効果が高いと感じていたりもする。
(そして少々時間効率が悪くても、絶対的な時間をかければクオリティは上がってしまう。)
つまり重要なのは「やる事がなければ帰ろう」ではない。
「やる事があっても帰ろう」が基本であり、「どうしても(このどうしてもというのはつまり明日が締切という事だ)やる事があるなら残ろう」というマインドセットにならなければ、「やる事があるので残業する」という循環を断つ事はできないだろう。
しかしこのマインドセットを持つのは極めて難しい。ともすれば仕事に対するモチベーションそのものを下げる事につながりかねないからだ。やりたいと思っている事を、自分の意思で「今はやらなくても良い」と考えようとするのは、心の中で二律背反を生むリスクもある。
そういった意味では「マインドとして帰らせる」という意識づけは、マネジメントとしては下策であろう。やりたいという気持ちを維持させたまま中断させるには、本人の気持ちではなく、外圧としてのマネジメントの指示でなければならないのかもしれない。
 
だからこそ「明日はもっと(集中して)やろう」という気持ちにかき立てられるのだ。親にゲームを止められた子供のように。

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