出なくても良い会議
時間を生み出すためのセオリーとしてよく言われる「出なくても良い会議に出ない」ために、その必要のない会議を見極めるのは、実はそう難しくない。実際に参加していれば、自分にとって必要なのかは、考えなくても分かってくるものだからだ。
一方、「読まなくて良いメール」や「出なくても良い電話」を判断するのは難しい。どちらも読むなり出るなりしなければ、それが不要かの判断はできないからだ。会議であっても、判断のためにはアジェンダの把握が必要だが、メールや電話のアジェンダを事前に把握することは、当たり前だができない。
(もちろん、メールの場合はタイトルがその一助になるが、同じテキストベースのチャットとなると、それもできなくなる。)
その割に(電話はさておき)メールを「読まない」的な判断が出来るのは、「そうはいっても重要であれば改めて連絡がある」とか、結局「次の会議で共有される」みたいな感覚があるからだ。無駄に思える会議でも、出ることで共有される情報は、同じ情報をメールから得ようとするよりも容易である事が少なくない(そして現実にはメールでは得られない事も少なくない)。
本当の意味で非同期のリモートワークを浸透させていくには、その点をクリアしなければならない。時間を同期させなければならない会議がなくなるのは、一見時間効率を上げるようだが、その内容をテキストベースで非同期に共有しようとすると、実はトータルでは時間コストが上がってしまう可能性があるからだ。特に今メールを「読まない」「読めていない」層に対してはそうなるだろう。そもそも日本人は活字をあまり得意とはしていない(気がする)。
ちなみに、個人的にはオンライン会議は「内職を併用」するのが効率的なやり方ではないかと思っている。30分の会議の際に、30分フルコミットの必要があるメンバーと、実は1分だけ参加すればよいメンバーでは、会議に臨む姿勢が違っていても良いという考え方だ。会議が無駄に感じるのは、その1分のために残りの29分何もできないからだろう。その1分を切り捨てて会議に出ないという選択肢もあるが、1分だけフルコミットして、残りは聞き流しながら別のことをやるような参加の仕方ができれば、会議の効率も変わってくるのではないだろうか。
会議室の会議でそんな運用は無理だが、オンラインであればやり方次第でそれも可能なのだ。
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